世界規模で拡大しながら、互いに交流し、学習をはかることで、イノベーションが期待できるのでありますが、そのためには、単に海外に展開するだけではなく、組織内部に学習メカニズムを整える必要があります。言語上の問題だけではなく、異文化理解も深い交流には欠かせない、歴史的、文化的、宗教的背景を踏まえていなければ、信頼が育まれないだけではなく、時として、知らなかったことによって大きな過ちを犯すことにもなりかねません。例えば会計面ではシステム開発に係る開発費の集計及び計上が必要となり、その際には通常エンジニアにタイムレポート(日報)にて日々の業務内容について報告を受ける必要があります。しかし、当該必要性を多国籍で構成されるエンジニア達が理解することには時としてハードルがあり、自国のスタイルを押し付けるのではなく、互いの価値観を理解し、尊重することによってこのような学習は進むと考えられます。こうした各人の文化の違いという点を凌駕する企業文化の構築がより強固な生産ネットワークの構築には不可欠となるでしょう。
参考文献は以下の通りです。
・深化する日本の経営(千倉書房)
・PayPay株式会社プレスリリース