
任天堂が減益に転じた今期決算と、後継機「スイッチ2」への視線
最近の任天堂は、主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」(以下、スイッチ)の販売が想定よりも伸びず、2025年3月期の業績は期初予想の下方修正を重ねている。
8年目に突入したスイッチがピークを越えた影響は大きく、直近の決算(四半期ベース)では売上高が前期比で3割以上減り、純利益も4割超の大幅減益となった。
株式市場では「さすがにスイッチの寿命が見えてきたか」「次の一手を早く」といった声が強まっているが、その次の一手、「ニンテンドースイッチ2(Switch2)」を25年に投入する計画を発表したことで、今後の動きに再び注目が集まっている。
スイッチの販売減速で2度の下方修正
任天堂が先日公表した2025年3月期の見通しでは、売上高や利益を期初から再び引き下げ、最終減益の見込み。
すでに2度も下方修正に踏み切るほど、スイッチ関連の販売が想定以上に落ち込んでいる印象だ。
実際、2025年3月期第3四半期(2024年4~12月)の業績を振り返ると、売上高は約9562億円と前年同期比で3割超のマイナス、純利益に至っては41.9%もの大幅減益。
年初時点で「スイッチ販売を1,250万台」と見込んでいた計画も、最終的に1,100万台に下方修正したのが象徴的だ。

株価は材料出尽くしで急落
1月16日夜に「スイッチ後継機を25年に発売」と正式発表したが、株式市場では材料出尽くしの売りが先行し、一時7%超下落する場面があった。
すでに観測報道が多かったうえに、アナリストはどこかしらで新型機が出るのは織り込み済みと見ていたわけだ。
しかも今回の発表では、後継機の発売が「思ったより遅い=25年中」という印象もあり、今期(2025年3月期)の業績下振れリスクが意識される。
野村証券などは「26年3月期(来期)の発売とすれば、今期の営業利益3600億円に届かない可能性」と指摘し、短期的な不安が浮上している。
Switch2登場は遅めだが継承戦略か
後継機の名称は「Nintendo Switch2」。
2025年に発売し、新型機でも現行スイッチのソフトが遊べる互換性を持たせるという。
過去の「Wii→Wii U」で苦戦した経験もあり、スイッチのユーザー層をどこまで円滑に引き継げるかがカギになりそうだ。
アナリストの見方では、「後継機はスイッチの特徴をほぼ踏襲するアップグレード版」との観測が強い。
任天堂の首脳は「ユニークさにこだわる」と述べているが、どんな新たな遊びを提示するかは4月2日の動画チャンネルで明かされる見通し。
価格設定や発売時期は6月ごろになりそうとの予測もあり、25年後半から本格稼働するシナリオかもしれない。
次期ハードのソフトラインナップにも注目
現行スイッチは「ゼルダ」「スプラトゥーン」「ポケモン」「マリオ」など人気ソフトに恵まれた結果、累計1億4600万台を超える大ヒットを記録した。
今回の後継機でも、初期段階から魅力的な大型ソフトをどれだけ用意できるかが市場の大きな関心事だ。
実際、Wii Uが失速した一因として目玉ソフトの出足が遅くユーザーが盛り上がらなかった点がよく挙げられる。
任天堂自身も教訓としているはずで、新ハードのローンチや発売初年度にユーザーをガッツリ引きつけるため、スイッチ2専用ソフトや人気フランチャイズの新作ラインナップをどのタイミングで展開するかが鍵になるだろう。
まとめ
大きく減益となった今期3Q決算を踏まえ、任天堂はスイッチの終わりが見えたとの見方から短期的な売りに直面している。
だが、市場はすでに次の主力ハード「Nintendo Switch2」に焦点を移し始めており、発売時期や価格、そしてソフトがどこまでユーザーの期待に応えられるかが、今後の株価と業績回復を左右しそうだ。
17年に発売したスイッチを約8年引っ張った任天堂の「世代交代」は今まさに転換期。
発売当初から事前報道まで含め、話題性は十分。
今期は減速しても、来期(あるいは次々期)以降の業績アップが見込めるかどうか、4月2日の公式動画や体験会での情報公開が大いに注目を集めるだろう。