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オリエンタルランドでは、夏場の猛暑で入園者の勢いが鈍った一方で、ディズニーシー新エリア開業や秋冬のイベントが業績を下支えしている。
オリエンタルランド(OLC)が発表した2024年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比4%減の957億円となり、減益決算となった。
猛暑による需要落ち込みや新エリア開業に伴うコスト増(人件費・減価償却費など)が重くのしかかった構図だ。
ただ10〜12月(第3四半期単独)の純利益は502億円と過去最高を更新。
株式市場では、そうした短期的な好調と「材料出尽くし」の売りに挟まれ、株価は大幅反落という展開となっている。
ここでは、今回の決算と今後の注目ポイント、新たなキャンペーンやイベントの動きを整理してみる。
1.4〜12月期、テーマパーク事業が伸び悩み
- 売上高:5051億円(前年同期比+8%)
6月開業の「ファンタジースプリングス」効果に支えられた結果。ハロウィーンやクリスマスなど季節イベントも収益に寄与。 - 営業利益:1349億円(同-5%)
猛暑の影響で夏場の入園が想定を下回り、特に7〜8月に足を引っ張られた。また、TDS新エリア開業に伴う減価償却費の増(114億円減益要因)や人件費の増(業績賞与や賃金改定で83億円の減益要因)が重荷に。 - 純利益:957億円(同-4%)
前年同期比で小幅減益。秋以降のイベントで盛り返したものの、増収をコスト増がほぼ相殺する形。
ちなみに10〜12月だけを切り出すと、純利益は502億円で前年同期比11%増・過去最高。
ハロウィーンやクリスマスといった集客施策の効果と新エリアの貢献により、第3四半期は大幅な回復を見せた。

2.客単価は高水準、ただし入園者数は伸び悩み
期初予想では年間の入園者数2900万人を想定していたが、夏場の猛暑などで下振れしているもよう。
インバウンド(海外ゲスト)は増加傾向だが、国内ではリベンジ消費の落ち着きなどが客足を抑えている面もある。
一方、変動価格制チケットの高価格帯や有償のアトラクション優先券(ディズニープレミアアクセス)の販売が順調に推移し、客単価は2019年比で48%増(会社見通し)という高水準に達している。
3.新エリア「ファンタジースプリングス」貢献度と費用
- 6月にグランドオープンした東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」が、ハロウィーン・クリスマスなどの季節イベントと相まって後半の業績を下支え。
- ただし大規模投資の結果、減価償却費が前年同期比で114億円も増加し、営業利益を圧迫。新エリア開業に伴う追加の人件費も同83億円の減益要因になった。
- 足元では新エリアのアトラクション体験時間指定や入場時刻指定の仕組み(スタンバイパス・ディズニープレミアアクセス・ファンタジースプリングス専用の1デーパスポートなど)を整え、ゲストの回遊をコントロールする施策を継続。
4.トピック:期間限定イベントや割安チケット
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「ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド」
1月15日〜3月16日に東京ディズニーランドで開催。期間限定パレード「イッツ・ア・スウィーツフルタイム!」が目玉。映画「シュガー・ラッシュ」のヴァネロペがお菓子をイメージした世界観を演出する。また「イッツ・ア・スモールワールド」にマーベル映画キャラクター「グルート」が登場する特別版も6月30日まで行う。 -
大学生向け割安チケット「カレッジパスポート(期間限定)」
1月21日〜3月14日の入園を対象に、7000〜9000円で1日券を販売(通常は8400〜1万900円程度)。若年層向けに来園を促す狙い。
こうしたイベント・キャンペーンを通じて、客足の回復と併せてキャラクター知名度向上などの相乗効果を期待している。
5.通期は据え置きの予想
25年3月期(通期)見通しは売上高6847億円、純利益1205億円の従来予想を据え置いている。
夏場の響きで4〜12月期は減益だが、10〜12月の盛り返しや、1〜3月もイベント・優先券の販売などを想定通り推進して期初計画を達成したい考え。
なお、入場者数の伸び悩みは続いているものの、OLCは「秋のイベント期に価格が理由の来園見送りが大きく増えたというわけではない」とし、引き続き新エリアやイベントを活かして集客を図る方針だ。
まとめ
オリエンタルランドの4〜12月期は、猛暑とコスト増が重くのしかかり純利益は4%減。
一方、秋冬の集客や新エリア開業効果、そしてゲスト1人あたり売上高の底堅さで10〜12月期は最高益を叩き出すなど、手応えとリスク要因が入り混じる状況だ。
1〜3月も大学生向けチケットや新パレード、アトラクション特別版など多彩な施策を打ち出しており、春の需要やインバウンド次第でさらなる上振れの可能性もある。
株式市場では「入園者数の弱さ」と「客単価上昇・材料出尽くし感」の両方が議論される展開だが、今後の客足回復と通期計画の達成度を引き続き注視したい。