ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

coco壱番屋の決算書を覗く(2025年2月期反映)

ここ数日、米トランプ政権の関税強化や米中摩擦の激化を受け、世界の株式市場が荒れている。

 

4月4日にはNYダウが1日の下げ幅として史上3番目の2231ドル安を記録し、S&P500やナスダックも下落が続く。

 

日本でも製造業を中心に株価が大きく下げており、特に輸出型企業へ暗雲が漂う。

 

しかし、そんな世界株安の渦中で、「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋が2025年2月期の本決算(連結)を発表し、意外にも増益を確保しているところが注目されている。

 


2025年2月期、売上610億円・純利益31億円で増収増益

壱番屋の2025年2月期(前期)は、売上高が610億06百万円(前年比10.6%増)、営業利益が49億25百万円(同4.5%増)、純利益は31億71百万円(同18.1%増)となった。

 

主力の「ココイチ」業態がコメや香辛料など原材料高の逆風を受けながらも、以下の2つが増益要因として挙げられる:

  1. 価格改定(値上げ)
    昨年フランチャイズへの卸や店頭メニューなどを値上げし、原価上昇分を吸収。客数は多少減ったものの、客単価アップが売上を底上げした。

  2. 多業態展開によるリスク分散
    カレー以外に「あんかけスパ」「ラーメン」「つけ麺」「ジンギスカン」などをM&Aで取得・強化。前期末にはカレー以外の業態を61店舗まで増やし、収益に寄与した。

インフレや円安の影響で仕入価格は前期比16億円も上昇したが、値上げと多業態がその負担を和らげた格好だ。

 

実際、「パスタ・デ・ココ」「大黒屋(ジンギスカン)」「麺屋たけ井」などのブランドが安定的に伸びたことで、カレー一本足からの脱却が進んでいるという。

 


世界株安の余波、「コメ・香辛料高」は止まらない?

一方で、世界株式市場はトランプ政権の相互関税と中国の報復関税がエスカレートし、各国が貿易戦争に突き進むリスクが高まっている。

 

自動車関連には「貿易戦争が現実化すれば経済が冷え、個人消費まで落ち込む」懸念が漂い始めた。

 

壱番屋の葛原社長も、「コメ価格はいっそう上がる基調」と見ており、「米政府・農政当局が備蓄米を放出しても市場価格がどこまで下がるかは分からない」と述べる。

 

今期も原材料コストの高止まりを前提とするが、必要に応じて再度の値上げを検討する。

 


2026年2月期は純利益4%増を見込む

壱番屋は次期(2026年2月期)の連結業績予想で、売上高673億円(今期比+10%)、純利益33億円(同+4%)を掲げている。

 

カレー店以外の業態を国内100店舗に育てる目標を打ち出しており、2024年度にはラーメン・つけ麺事業向けのセントラルキッチンを整備済み。

 

M&Aを通じた新業態の買収も進め、カレー依存度を下げる戦略だ。

 

海外では北米での出店を強化しつつ、中国では不採算店舗の整理で収益改善を進める方針。

 

「価格上昇が今後も続くなかで、値上げ+新業態という二本柱がどこまで通用するか」が注目ポイントになる。

 


まとめ

  • 壱番屋は値上げと多業態で増益
    2025年2月期は売上610億円・純利益31億円を達成。原材料コスト増をうまく吸収した。

  • コメや香辛料など原価高騰は続く
    社長曰く「原材料価格が下がる要因が見当たらない」。状況次第でさらに値上げを検討。

  • 26年2月期は純利益33億円予想
    多業態によるリスク分散を加速。ラーメンやつけ麺、ジンギスカンなどカレー以外の店舗を100店規模にして「脱カレー一本足」を進める。

  • 世界株安の逆風に耐えられるか
    米中摩擦とインフレ長期化により、消費マインドや為替リスクが深刻化すると飲食市場にも影響が及ぶ可能性がある。

世界的なリスクオフで株価が下がる中、製造業を中心に暗雲が漂う。

 

壱番屋も原材料高や海外情勢の不透明さを抱えつつ、国内外での新業態をテコに成長を続ける構えだ。

 

カレー業界の雄がこの荒波をどう乗り切るか、今期も目が離せない。