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伊藤園が2025年4月期(2024年5月〜25年1月)までの決算を発表し、純利益が前年同期比で2割落ちるなど、意外と苦戦しているようだ。
コスト増や販促費用の増加が重荷になっているうえ、肝心の値上げが思ったほど利益に結び付かなかったらしい。
国際的には「お〜いお茶」が米国や東南アジアで順調に売れているようだが、国内需要が鈍い分をカバーしきれなかった格好だ。
純利益20%減も、海外は健闘
今回の数字を見ると、純利益が前年同期比20%減の113億円。
伊藤園といえば緑茶飲料「お〜いお茶」で有名だが、値上げによる売り上げ増は期待通りにはいかず、原材料の高騰や販促費増が響いた。
- 売上高は4%増の3608億円
- 営業利益は18%減の178億円
- 純利益は20%減の113億円

ただし海外に限ってみると売上高が前年同期比9%増の439億円まで伸びている。
特に北米やアセアン地域では緑茶飲料「お〜いお茶」とティーバッグ需要が好調で、それぞれ販売数量が10%、38%と大きく上昇した。
北米では大谷翔平選手の広告効果が大きく、健康志向の強い米国の消費者にも「お〜いお茶」が受け入れられたようだ。
一方、国内飲料販売は数量ベースで1%の微増。
これに販促施策(「買うともう1本無料キャンペーン」みたいな)やペットボトル原材料コスト、物流費高騰などが重くのしかかり、コストを吸収しきれなかった。
しかも大容量容器がよく売れたことで単価が下がり、製品ミックスの悪化にもつながった。
値上げの影響とタリーズの好調
実際、伊藤園は2024年10月から「お〜いお茶」など主力製品の値上げに踏み切っているが、その効果が今のところ想定より小さい様子。
消費者の節約志向もあって、価格転嫁がうまく進まなかった可能性がある。
- 販促費は16%増加
- ペットボトルなどの資材コストが上昇
- 大容量ペットが売れる→収益性低下
ただ、同社グループのタリーズコーヒー事業は営業利益が15%増と好調だ。
23年12月に主要メニューを値上げしても客足は落ちず、客単価アップが利益につながった。
コーヒーの価格上昇もきちんと転嫁できた点は、お茶事業の値上げ苦戦とは対照的だ。
米大リーグとパートナー契約で「お〜いお茶」海外拡大
海外に力を入れる動きとしては、伊藤園は1月に米大リーグ機構(MLB)と広告パートナー契約を締結した。
加えて、大谷翔平選手が所属するドジャースとも提携し、広告起用やファン向けキャンペーンなどを始める。
すでに大谷選手個人との契約があるが、リーグ全体やチームとも契約することで、更にプロモーションの幅が広がる狙いだ。
実際、「お〜いお茶」の北米販売は10%、ティーバッグ販売は38%増と数字に表れており、アメリカでの日本茶ブームを一層盛り上げる可能性がある。
「大谷×お〜いお茶」の組み合わせはグローバル展開の鍵といえそうだ。
生産強化策:5月に子会社2社を統合
さらに伊藤園は茶葉の製造子会社である伊藤園産業(静岡)と伊藤園関西茶業(神戸)を5月1日に統合して「伊藤園ティーファクトリー(仮称)」を発足させる。
- 製造体制の強化により生産性向上
- 将来的には海外でも茶葉製造を担える人材を育成
- 2040年度までに「お〜いお茶」を100カ国以上で売りたい計画の一環
国内拠点を整理統合して効率を高めることで、海外市場向けの生産力を確保したいという狙いがある。
まとめ:海外展開で巻き返せるか
2025年4月期の通期業績は「売上高4666億円(+3%)・純利益172億円(+10%)」の目標を据え置き、最高益更新をまだ諦めていない。
- 国内需要の伸び悩みや値上げの影響が薄いなど厳しい面はあるが、タリーズが堅調に利益を稼ぎ出し、海外向け「お〜いお茶」が好調
- MLBや大谷選手との広告連動でアメリカ市場でのシェア拡大が期待される
- 茶葉の製造子会社統合で生産面も強化
とはいえ原材料高騰や販促費増のプレッシャーは依然として大きい。
国内では価格転嫁が想定より進まず純利益が2割落ちた点を見ると、今後も原材料や物流費の動向が気になるところだ。
それでも海外でどこまで「お〜いお茶」を広められるか、タリーズの値上げ後の客足を維持できるかなど、巻き返しの余地はある。
伊藤園が来期までに最高益をきっちり達成してくるのか、引き続き注目したいところだ。