ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

会計の歴史的な変遷(1/5)

 会計については、歴史的に様々な変遷を経て現在に至っており、各時代における会計に求められる役割に応じて変化してきています。また、求められる役割に応じて会計が変化するという点は、現代においても会計基準が、その目的に応じて企業会計基準、社会福祉法人会計基準、学校法人会計基準など複数存在することにも表れています。株式会社は営利を目的としているのに対して、社会福祉法人や学校法人は原則として非営利の法人であり、その公益性の高さから、一部の収益事業を除き原則非課税であり、また多くの助成金補助金を収受しています。このため、企業会計が利益を計算することに主眼を置いているのに対して、社会福祉法人や学校法人は事業活動の成果や資金収支を計算し、助成金補助金の使途、事業の継続性や安定性などの情報を提供することに主眼を置いています。特に、助成金補助金の使途に係る会計処理については、監督官庁から定期的に検査が入り、詳細に調査が行われることとなります。

 このように会計は、その求められる役割に応じて、ベースとなる考え方を都度変えて存在してきています。例えば、大航海時代においては一つのプロジェクトごとに出資者から出資金⓪が集められ、その資金で乗組員や物資の調達を行い、当該プロジェクトから儲けが得られるか得られないかに関わらず、プロジェクトが終わり次第、得られた収入①から乗組員の賃金や物資の調達に係る支出②を控除して清算が行われ、その結果算出されるプロジェクトから得られた利益又は損失①-②を出資者に配分し、当初出資金⓪に加減算され清算が行われることとなります。現代で近しい例をあげるのであれば、バザーやお祭りが開催の都度清算されているようなケースです。つまりここでは、第二第三のプロジェクトの有無を問わず、各プロジェクト単位で清算が行われることとなり、その清算こそが会計の求められる役割でした。

 このため、当該清算を行うに際しては最終的に出資者への現金の流出を伴うため、算定される利益は現金による資金的裏付けをもつ必要があり、会計上収益と費用を現金授受の時点で認識する必要があります。これを現金主義といいます。

 

次回は、現金主義から発生主義への変遷についてです。