ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

串カツ田中の決算書を覗く②(2023年11月期反映)

昨年末についに、串カツ田中の「食べ放題コース」を経験する事が出来た。

 

この「食べ放題コース」は、2つ種類があるのだが「ほぼ全品食べ放題コース」にすると、本当にメニューの大半を食べ放題で頼むことが出来る。

 

もちろん、飲み放題も付けられる。

 

難点は、平日18時までに入店しなければいけないところであり、気にはなっていたもののなかなか行けなかったのである。

 

もちろん、味はいつも通り最高に美味しい!

 

そして、店員さんも「まだまだ、頼めますよ!」といった感じで、とても親切であった。

 

しかし、そんな流れで料理を頼みまくった結果、時間内にとても食べきる事が出来ずに、食べ飲み放題時間終了後、居残りのような形で単品でドリンクを頼み、残った料理を閉店まで食べ続けたのであった。

 

とまあ、これは完全に自己責任であるので、串カツ田中は何も悪くないのであるが、メニューを見ているとあれもこれも食べたくなってしまうのだから、それはそれで良い意味で罪という事になるのであろうか。

 

そんな、串カツ田中であるが、前回決算書を覗いた際には、やはりコロナ影響を大きく受けていた事を確認している。

串カツ田中の決算書を覗く - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

そして、2021年11月期は赤字で、2022年11月期も補助金収入で経常利益は黒字化したものの、営業利益は依然として赤字であった。

 

補助金収入がなくなった2023年11月期に、営業利益及び経常利益で黒字になっていれば、復活したと言って良いであろう。

 

期待を胸に、株式会社串カツ田中ホールディングスの2023年11月期の決算書を覗いてみようと思う。

 

串カツ田中は、相変わらず単一セグメントである。

 

まあ、現状は大半が「国内」で展開する「飲食事業」であり、かつ「串カツ田中」ブランドであるので、単一セグメントで特段の違和感はない。

 

なお、「内装工事事業」の展開もしている模様であるが、「重要性は乏しい」との記載のみで、その詳細な規模感は決算資料からは読み取れない。

 

 

売上だけを見れば、もうコロナ前を大きく超過しており、完全復活、いや進化を続けていると言って良いであろう。

 

問題の利益はどうであろうか。

 

 

まず、経常利益については、補助金収入が無くなっている影響で、2022年11月期を下回っているものの、しっかりと利益は確保しており、その金額は売上と同様にコロナ前を超過している。

 

そして、ついに営業利益が黒字化している!

 

さらに、営業利益も、見事コロナ前を上回っている!

 

四半期ベースの2021年11月期からの推移を見ると、赤字続きの本当に苦しい時期を乗り越えてくれたと思わずにはいられない。

 

 

店舗数でまた、フランチャイズ店が盛り上がってきているのも、力強さを感じさせる。

 

 

なんと、これからは1000店舗体制の構築に向けて、直営店をフランチャイズ店に事業譲渡していく方針であるという。

 

(2023年11月期)

 

既に2023年11月期には、当該スキームにて11店舗を事業譲渡している。

 

 

もちろん、2024年11月期も新店舗を出店していく計画であり、まずは直営店で進出して、軌道にのったところで、フランチャイズ店舗に転換していくという流れなのであろうか。

 

ある意味、デベロッパーの様にも見えてくる。

 

 

ちなみに、海外事業の「TANAKA」は、何やら国内の串カツ田中とは、あまり似ていないオシャレなカフェみたいな感じに見える。

 

個人的には、海外でも串カツ田中スタイルを貫いた方が、ニーズがあるのではないかとずっと思っているのだが、特にそういった計画は決算資料を見ている限りでは確認出来ない。

 

 

店舗数の拡大に応じて、2024年11月期も増収増益を見込んでいる。

 

そして、目に付くのは販管費の大幅な増加計画である。

 

大きな要因の一つとしては、賃上げがあげられる。

 

やはり、飲食業で規模を拡大するにあたっては、どうしてもマンパワーが必要となってくる。

 

そのための、必要な投資ということであろう。

 

実際に、串カツ田中の店員さんは、冒頭でも記載した通り、とても親切であり、元気に満ちている。

 

 

そして、串カツ田中に行って思うのが、本当にお客さんの年齢層が広いことである。

 

まさに、子供から年配の方まで、幅広くいらっしゃって、みんな楽しそうに食事をしている。

 

串カツ屋さんというと、サラリーマンの方ばかりというイメージがあるかもしれないが、串カツ田中ではそのイメージはあまり当てはまらないのではないか。

 

 

串カツ田中は、何とも言えない遊び心がちりばめられている様に感じており、子供は無料でたこ焼きやアイスが作れたり、大人には「飲みパス」なんてファン心をくすぐるものまである。

 

もちろん、「食べ放題コース」のような、提供も串カツ田中らしいと言える。

 

そんな、串カツ田中は、もう業績の心配をする必要はないだろうから、2024年度は優雅な気持ちで自分も店舗にお邪魔して楽しませてもらうつもりである。

 

ただ、1点だけ困った事があるのである。

実は、串カツ田中に行くと、串カツが美味しすぎて間違いなく食べ過ぎてしまうのである、そしてその結果ほぼ間違いなくニキビが出来るのである。

 

この点だけが、困った点なのである。

 

なお、この点は串カツ田中は何も悪くなく、自身の自己管理の問題であることは念のため申し添えておく。