ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

象印の決算書を覗く②(2023年11月期反映)

新年が明け、2024年度がスタート。

 

今年は、どんな一年になるのでしょうか。

 

とりあえず、1月は寒い。

 

冬だから、当然と言えば当然ではあるのだが、、、

 

12月末付近は、「暖冬、暖冬」と世間では言われ、スーツを買いに行った際には、春夏用のスーツも店頭に並んでいた。

 

「これ、春夏用ですよね!?」と店員さんに聞いたら、「そうですね、でも今年は暖冬なので問題ありませんよ!」と言われたりもした(;^_^A

 

がしかし、年明けから十分寒いよ!!

 

そんなこんなで、やはり寒い冬は同時に乾燥もする。

 

特に、暖房をつけると、部屋の湿度はみるみると下がっていき、気が付けば湿度計の表示が「測定不能」まで下がっているものである。

 

そこで、毎年活躍するのが、象印の加湿器!

 

前回、象印の決算書を覗いた際にも、書いたのだが、冬はこの加湿器がないと体が悲鳴をあげてしまう。

象印の決算書を覗く - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

本当に、有難い存在である。

 

そんな象印は、やはり業績の季節変動が激しく、第1四半期である12月~2月で年の利益の大半を稼ぐ状況となっていたが、2023年11月期もその傾向は変わらない模様である。

 

 

個人的には、とても納得感のある季節変動である。

 

いつも象印さん、ありがとう。

 

と、フライング気味に、2023年11月期の業績を一部表示してしまったのだが、推移を含めてもう少し詳細に象印マホービン株式会社の決算書を覗いてみようと思う。

 

象印は、単一セグメントであるので、まずは、全体の売上推移を確認してみる。

 

 

2023年11月期は、増収となっており、2020年11月期を底に順調に回復しているように見受けられる。

 

それでは、製品別の推移はどうであろうか。

 

 

 

「調理家電製品」の売上が若干減少しているものの、その他の製品区分は増加している事が分かる。

 

 

さらに詳細に見ると、新製品である「オーブンレンジ」が「調理家電」の前期比増加要因にはなっているものの、「調理家電」のその他の製品は前期比で下回っている。

 

おかしいな、昨年度、象印の炊飯器だけ売り切れていて買えなかったので、人気なんだと思っているのだが。。。

 

あれは、ジャパネットたかたで買おうとしたからで、単純にジャパネット側での在庫が無かっただけだったのであろうか。。。

 

そして、象印にとって創業の原点とも言える「魔法瓶」は、堅調に売上を伸ばしており、加湿器を含む「生活家電」も好調である。

 

ただ、気にかかるのが、売上が前期比で増加しているのは、海外であって国内は減少している事実である。

 

確かに、これは良い点でもあるのだが、自分が使っている加湿器についても、全く壊れる事はない。

 

そして、機能にも満足している。

 

一方で、製品の良さに見合った値段設定ではあるので、比較的高価額帯が多くなっているようにも思えるため、頻繁に買い替えるという感じではないのかもしれない。

 

なので、買い増しはあっても、買い替えがないという事は、製品力の強さの現れではあるものの、画期的なイノベーションが起こらなければ、国内での爆発的な伸びは現状あまり期待出来ないのかもしれない。

 

その分、海外のマーケットに目を向けるというのは、正しい経営方針ではあるのであろう。

 

何と言っても、良い製品であることは、間違いないのだから。

 

それでは、利益側はどうであろうか。

 

 

こちらも、為替影響がマイナス方向に大きく出た2022年11月期と比して、増益が見て取れる。

 

 

なお、2023年11月期においても、為替影響はマイナスに働いているものの、増益となっている。

 

この要因は、「売上総利益率要因」、つまり利益率が高い商品が売れているという事である。

 

確かに、単価を下げて、売上を上げるというのは、ブランド力が既にある象印にとっては、比較的簡単な事で、そうではなく高付加価値の商品を適正な価額で販売しながら、さらに海外にも販路を広げているという事である。

 

その代表が、「オーブンレンジ」の投入なのだろう。

 

 

高付加価値の商品を投入するためには、当然に研究開発費が必要であり、2023年11月期も増額させている。

 

 

そして、2024年11月期においても、さらなる売上総利益率の上昇を見込んでいる事が分かる。

 

 

そして、2024年11月期の売上も「オーブンレンジ」が、しっかりと牽引する想定となっている。

 

 

アジアから離れて、例えばヨーロッパとかに行くと、もの凄く乾燥して日本に帰国してからもしばらく肌が痛い経験をした事もある。

 

そんな地域に、象印の加湿器はどうだろうか。

 

さらに言えば、アジアも象印の炊飯器で炊いたご飯を食べたら、びっくりされるのではないだろうか。

 

象印の製品力を考えれば、決して商品価額を下げるべきではないし、より広く販路を拡大していって欲しい。

 

経営方針は間違っていないと思います!

 

後は、なかなか難しい事ではあるのだが、為替影響をもう少しヘッジ出来るとなお良いのではないだろうか。

 

まあ、これは「言うは易く行うは難し」である事は間違いない。