ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

不二家の決算書を覗く

ヤマザキの決算書を先日覗き、不二家が傘下に入っていること及び、不二家の業績が回復しているとのコメントを確認した。

 

不二家の商品といえば、個人的にはやはり何と言ってもミルキー。

 

小さい頃は、世の中にこれ以上美味しいアメがあるのかと思って、美味しく頂いていた記憶がある。

 

 

後は、ペコちゃんのほっぺも良く食べていた。

 

特にここで、不二家の商品を宣伝するつもりはないのだが、何と言っても馴染みがあるから、応援したくなってしまうのは、自分だけではないだろう。

 

そんな不二家の業績が回復しているとのことであり、さらにヤマザキの傘下にはいるものの、上場は維持しているのだから、これは決算書を見ないわけにはいかない。

 

というわけで、親会社のヤマザキに続き、株式会社不二家の有価証券報告書を覗いてみたいと思う。

 

 

不二家の実質的な創業は、明治時代まで遡るようだが、形式的には現在の不二家が株式会社として1938年に設立され、その株式会社に元々の(なのか本家なのか微妙なところだが)不二家が吸収合併される形となっている。

 

いずれにしても、日本史の教科書に出てきてもおかしくない、歴史ある会社である。

 

 

不二家のセグメントは、洋菓子の販売と飲食店の運営をしている「洋菓子事業」と菓子類や飲料の販売をしている「製菓事業」の二つ。

 

 

売上で見ると「製菓事業」の方が大きい。

 

この辺りは、なんだかヤマザキの状況と似ている。

 

なお、2022年12月期で「製菓事業」の売上高が落ちているように見えるが、これは収益認識基準の適用に伴うものである。

 

(2022年12月期)

 

販管費に計上していた販売促進費の一部を、2022年12月期より売上高から控除しているため、最終的な営業利益は変化ないものの、売上高と販管費が共に減少することとなる。

 

(2022年12月期)

 

このため、実質的には2022年12月期は、2021年12月期よりも売上高は増加しているものの、収益認識基準適用を開始したために、適用前の2021年12月期と比較すると、減少しているように見えるのである。

 

したがって、売上は実質的には、順調に伸びていることが分かる。

 

(2022年12月期)

 

「カントリーマアム チョコまみれ」や「ホームパイ チョコだらけ」など、従来のブランドを活かして、より尖った商品を展開しているとのことで、とても気になる!

 

ただ、すごい甘そうだけど。。。

 

利益も比例して、伸びていると良いのであるが。

 

 

「製菓事業」のセグメント利益は、順調に伸びていることが分かる。

 

実質的には、増収増益と言って良いであろう。

 

問題は、「洋菓子事業」である。

 

赤字が連続している状況は、ヤマザキの「流通事業」を思い起こさせる。

 

ただ、2021年12月期と2022年12月期は、徐々に良くなっているようにも見えるのであるが。

 

 

店舗数の推移でみると、有価証券報告書が閲覧出来る一番古い情報の2013年12月期と比較して、店舗数を大きく増やしていることが分かる。

 

連結子会社の店舗を不二家洋菓子店に転換している影響もあるのだが、コロナ渦での苦しい中でも強いブランド力が見て取れる。

 

(2022年12月期)

 

2022年12月期で、不二家のショートケーキはなんと発売100周年を迎えたという。

 

日本での不二家の認知度は、限りなく100%に近いはずだと改めて感じる。

 

また、直近である2023年9月期(第2四半期実績)では、コロナ渦で苦戦していたレストラン事業(セグメントとしては、洋菓子事業に含まれる)も前年同期比で大きく伸ばしてきている。

 

2023年9月期(第2四半期実績)

 

さらに、製菓事業は2023年9月期(第2四半期実績)においても、引き続き好業績をキープしているのが分かる。

 

 

飲料事業はちょっと気掛かりではあるが、、、今年の夏は暑かったのだが。。。不二家の飲料は夏場には甘すぎなのだろうか。

 

(ヤマザキ有価証券報告書)

 

ヤマザキと不二家が資本提携を開始したのが、2007年。

 

既に2007年の有価証券報告書の閲覧期間が終了してしまっているのだが、1年間の通期分で確認出来る、一番古い情報の2011年12月期と比較して、コロナを経験したにも関わらず経常利益が明らかに良化していることが分かる。

 

 

やはり、2社とも歴史ある企業であり、ブランド力を有している証拠である。

 

根強いファンを基盤とした底力が、あると言ってよいだろう。

 

だからこそ欲を言えば、ヤマザキの「流通事業」と共に不二家の「洋菓子事業」が黒字転換することを願ってやまない。

 

デイリーヤマザキとコラボして、ヤマザキ&不二家連合にしか出来ない店舗展開をして欲しい。

 

デイリーヤマザキの商品のほとんどが、ヤマザキと不二家とサーティーワンの商品でも良いではないか。

 

店員さんが、ペコちゃんの格好をしても良いではないか。

 

そういえば、ヤマザキはミッフィーとよくコラボをしているイメージがあるが、ペコちゃんみたいな公式キャラクターはいるんだろうか。