ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

エイベックスの決算書を覗く

最近、とある芸能事務所が連日話題となっているが、芸能界もコロナ影響を大きく受けた業界と言えるだろう。

 

芸能界というのは、とても華やかなイメージがあるし、不況と言われた時代であってもバブル期ほどではないにせよ、勢いがあった業界だと思う。

 

その芸能界も、コロナという難敵には苦戦を強いられていたことを、色々な報道で耳にしていた。

 

特に音楽業界は、利益率が高いCDが売れない時代になっている中で、ライブやコンサートも開催出来ないという状況が続いていたと認識している。

 

そんな状況を経営者の目線も交えながらコメントをしている、「MAX松浦」ことエイベックスの松浦会長のYouTubeチャンネルを実はよく見ている。

 

松浦会長のYouTubeチャンネルでは、音楽業界の現況や今後の見通しについての的確な見解だけでなく、良い意味でぶっ飛んでいる松浦会長の私生活も垣間見えるので、とても面白い。

 

松浦会長が、スポーツカーをポンポン買ったり、1回100万円以上する二日酔いに効く点滴をうっていたり。。。

 

今日は、エイベックス株式会社の有価証券報告書を覗いていくのだが、有価証券報告書には、1億円以上の報酬があると開示しなければならない。

 

もう松浦会長の報酬を、見るしかないでしょう!!

 

 

業績連動部分があるので、年によって上下はあるのだが、大体年間で3億円~6億円といったところだろうか。

 

これに、株主としての配当収入が入り、さらにYouTubeのコメントを聞いていると暗号資産とかに投資もかなりしている模様なので、まあそりゃ凄いですよね(;^_^A

 

ただ、松浦会長は生まれながらに凄いお金持ちというわけではなく、自分の努力で手に入れたものであるのだから、合法の範囲である限りどんどん使ってもらって、YouTubeで異次元の世界を見せて欲しい。

 

とこのままいくと、松浦会長のYouTubeの紹介に終始してしまうので、そろそろエイベックスの業績も見ていきたい。

 



まず、エイベックスの設立は、1988年。

 

ここからは、松浦会長のYouTube情報からではあるが、きっかけは松浦会長が、貸レコード店のアルバイトから、フランチャイズの貸レコード店を経営するに至る中で、自分でレコードの輸入及び販売も開始したと認識している。

 

その後、輸入だけでなく自身でレコードの制作を開始し、さらに小室哲哉氏との出会いで瞬く間に規模を拡大していった。

 

上場前に、小室哲哉氏との決別とか色々とエピソードは尽きないのだが、結果的に1999年に無事に上場を果たしている。

 

ちなみに、決別した小室哲哉氏が逮捕された際には、約6億円もの弁済額を肩代わりしている。

 

もちろん金銭的にある程度、余裕があるということはあるだろうが、そういった松浦会長の人柄もエイベックスをここまで大きくした所以なのだろう。

 

また、松浦会長の話になってしまった(;^_^A

 

 

エイベックスのセグメントは、音楽活動を行っている「音楽事業」、アニメ等のコンテンツを展開している「アニメ・映像事業」、デジタルコンテンツの展開等をしている「デジタル事業」、そして海外展開を行っている「海外事業」である。

 

なお、2021年3月期までは、VRやブロックチェーンを展開する「テクノロジー事業」も認識されていたが、2022年3月期からその他に含められている。

 

 

セグメント別の売上で見ると、やはり本業の「音楽事業」が大半を占めている。

 

しかし、2020年3月期から2021年3月期の落ち込みは、コロナ影響が顕著に表れている。

 

2022年3月期からは、回復傾向が見られるが、コロナ前と比べると未だ回復途中といったところであろう。

 

 

セグメント利益を見ても、売上とほとんど同じ動きである。

 

(2021年3月期)

 

何と言っても、ライブやイベントが出来ない、テレビ等のメディアでの活動も縮小が余儀なくされていた状況であるのだから、止む負えない状況だったと言えるだろう。

 

そんな中、エイベックスは2021年3月期に青山の本社を売却している。

 

(2021年3月期)

 

 

その結果、300億円近い固定資産売却益を特別利益に計上し、経常利益が65億円の赤字である中で、最終利益は大幅な黒字となっている。

 

(2021年3月期)

 

本社を売却した結果、固定資産も本当に見事に圧縮されている。

 

(2022年3月期)

 

その後、2022年3月期には、本社を移転し、コロナの制限緩和措置が進んだことに伴う売上増の影響も伴い、急速に業績を回復させている。

 

やはり、この機動力がエイベックスの強みなのだろう。

 

別に本社を売却しなくても、債務超過等に陥るような状況ではなかったし、制限の緩和に伴い売上の回復は見込まれてはいたものの、コロナ後の働き方の変化に合わせて本社も移転するべきと考えたのだろう。

 

(2024年3月期計画)

 

2024年3月期の売上計画は開示されていないのだが、2022年3月期、2023年3月期と順調に売上を回復しており、当然2024年3月期も増収が想定されているのだろう。

 

その中で、2024年3月期の営業利益、当期純利益は、2023年3月期と比して、減益の計画となっている。

 

これは、IPと言われる知的財産(音楽業界では楽曲やアーティスト・タレント等)を創出するために積極的に投資をしていくためとのことである。

 

コロナ渦から回復し、攻勢に出るという意思表示なのであろう。

 

(2023年6月期_第1四半期実績)

 

2023年6月期_第1四半期実績を見ると、売上は増収となっているものの、計画通り営業利益は前年同期比で減益となっている。

(純利益は、株式の売却があったため前年同期比で増益となっている。)

 

設備投資とは異なり、知的財産への投資はすぐに成果が見えにくいのであるが、だからこそ継続的に投資をするか否かで、会社の将来が大きく変わってしまうということなのだろう。

 

 

そして、特に今後は海外展開に力を入れていく姿勢が見られる。

 

松浦会長もよくYouTubeで言っているが、日本の音楽市場はそれなりの規模があるから、何となくこれまでは海外に出なくてもやってこられたらしい。

 

ただ、利益率が高いCDが売れない時代に加え、逆に海外からのグループが日本の音楽業界に参入してきている状況を踏まえると、今舵を切らなければいけないという経営判断があるらしい。

 

メジャーリーガーの大谷選手のような、日本人アーティストが誕生することを願って止まない。

 

そうなれば、もちろん日本人として誇らしいということもあるのだが、業績連動で、松浦会長の報酬も上がって、さらに面白いYouTube動画も見られることだろう。

 

そういえば、松浦会長にはYouTubeの収益もあったな。

松浦会長がお金目的で、YouTubeをやっているわけではないことは重々承知しているが、いくらくらい稼げているのか気になってしまう。