最近、寝苦しい夜が続いている。
エアコンを一晩中ガンガンかければ、その時は良いのであるがどこかで寒くなって起きる。
エアコンのタイマーをかけても、今度は止まると暑くて起きる。
寝始めの時は、エアコンの設定温度を低めにして(25℃くらい)、徐々に上げていって(28℃くらい)起きられるような自動設定が出来れば良いのにと思いながら、少なくとも我が家のエアコンにはそのような機能はなく結果として手動でこの操作をしている。
そういえば、ニトリのNクールなる寝具を使えば、最初のエアコン設定を高めにしても寝苦しくないのかなと、同じくニトリで買った現在の寝具(Nクールではない)を眺める。
家は、寝具だけでなく、家具も基本的には全てニトリである。
ベッド、ソファー、テレビ台、ダイニングテーブル、本棚、食器棚、キッチン棚、脚立、デスクチェアーなどなど。
自分の家からニトリの製品を取ったら、まず生活出来ないだろう。
きっと、自分以外にもそういう人が、一定数いるはずだと勝手に確信をしているのであるが、そんな生活に欠かせない株式会社ニトリホールディングスの有価証券報告書を覗いてみようと思った。
ニトリは、1972年に現会長の似鳥昭雄氏によって設立された。
基本的には、「ニトリ事業」として、主に家具・インテリア用品を製造販売しているのであるが、2021年1月に同業の島忠を連結子会社として「島忠事業」を認識している。
ニトリも家具やインテリアだけでなく、家電やアウトドア用品も手掛けているし、島忠も同じような状況ではあるがそこは細分化していないらしい。
分かりやすいと言えば、分かりやすいのではあるが詳細な分析には少し苦労する。
ちなみに、ニトリは2022年まで2月決算だったらしい。
しかも2月20日が決算日と、あまり見ない月の途中を決算日としていた模様。
経緯は分からないのであるが、それを2023年3月期に3月末決算に変更している。
したがって、2023年3月期は、約13か月決算となり他の期よりも約1ヶ月長いこととなる。
売上の推移を見てみよう。
やはり、「ニトリ事業」の方が圧倒的に売上規模が大きい。
「ニトリ事業」にフォーカスするために、「ニトリ事業」のみの売上推移を見る。
2022年2月期を除き、右肩上がりの業績。
2022年2月期は、コロナ影響による店舗の休業等が要因となって、若干の売上減少となっているが、2023年3月期には13か月分ということを考慮しても、しっかりと売上を伸ばしていることが分かる。
(2022年2月期)
なお、「島忠事業」は、ほぼ横ばいの状況。
まだ、ニトリの子会社化の成果は、少なくとも売上には見られない。
営業利益はどうであろうか。
利益も圧倒的に、「ニトリ事業」が大きい。
「ニトリ事業」だけで推移を確認する。
人件費の増加や、原油価格高騰による水道光熱費の増加の影響、及び積極的な出店による賃借料等の増加が見られ利益額自体は横ばい傾向にあるが、十分な利益は確保していると言って良いだろう。
問題は、「島忠事業」であり、幸い赤字にはなっていないものの、利益率が低い。
(2023年3月期)
当然、今後利益率については改善が必要との認識がある模様。
「ニトリ事業」とのシナジーを、発揮することが望まれる。
積極的な出店ということであるが、店舗数の推移を見てみよう。
店舗数についても、「ニトリ事業」が毎年100店舗程度の出店をしているのに対して、「島忠事業」では新規出店は見られない。
依然として、不採算店舗の撤退を進めている改革の途中なのであろう。
一方で、「ニトリ事業」は既にアジアを中心に、海外進出を加速している。
2024年3月期は、約200店舗の純増計画となっており、さらなる飛躍が期待される。
特に中国は2023年3月期から店舗数160%を計画しており、タイ、ベトナム、インドネシア等のこれまで出店していない新たな東南アジアの国々への進出も計画される。
さらに注目すべきは、通販売上の推移である。
新規出店は積極的にしつつも、通販サイトについても積極的に投資をしている成果がグラフに表れている。
確かに、自分も通販サイトでニトリの商品を購入することが多くなった。
家具という性格上、実際に触れてみたいという要望はあるため、店舗の存在は欠かせないものの、実際の購入は家で通販サイトを通じて行うというケースが増えているのではないだろうか。
店舗は賃料や光熱費、人件費が多額にかかるため、利益率の上昇には今後も通販媒体は無視出来ない存在であろう。
総じてみると順調なニトリの業績に、安心してNクールを通販サイトで検索しようと思っている中、家のソファーもそれなりに傷んでいることに気が付いた。
しかし、やはりソファーはサイズ感がよく分からないから通販サイトだけだと不安だ。
将来的には、VRゴーグルで家にいても実際に店舗にいるような感覚で、商品を確認出来るようになるのかもしれないが、それでもやはり家具を実際に見て触れながら選ぶ楽しみは重要だ。