ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

AOKIの決算書を覗く

先日、監査法人時代の先輩でもあり、今はお互い独立し仕事仲間でもある方の結婚式に行ってきた。

 

地方のご出身ということもあり、結婚式も地方で行われたのだが、とても良い時間を過ごさせて頂いた。

 

思えば、社会人になってから、幾つもの結婚式に呼んで頂いているが、どの結婚式も大変思い出に残るものばかりで、出席させて頂いた自分の方が幸せな気分にさせて頂いている。

 

そんな、人に幸せを与えてくれるブライダル事業であるが、大きくは「ホテル形式」と「ハウスウエディング形式」の2パターンに分かれるように感じている。

 

たまたまなのか分からないのであるが、最近、出席するのは「ハウスウエディング形式」が多いようにも感じている。

 

先日の結婚式も「ハウスウエディング形式」であった。

 

「ハウスウエディング形式」として、有名なのは「アニヴェルセル」ではないだろうか。

 

「アニヴェルセル」で行われた友人の結婚式に参加したこともあるし、横浜のみなとみらいにも、お城のような「アニヴェルセル」の結婚式場があるので、土日にみなとみらいを訪れた際には、風船やドローンが会場から飛び立っている様子などを見ることがある。

 

よく「アニヴェルセル」で結婚式をあげることが、新婦の憧れであったとも聞く。

 

同時に、料金が高いとも聞くが。。。

 

そんな、「アニヴェルセル」であるが、現在はスーツの販売で有名なAOKIのグループに入っている。

 

フォーマルな衣装つながりで、シナジー効果があるのであろうか。

 

(2023年3月期)

AOKIと言えば、直近では東京オリンピックをめぐる一連の騒動が思い出されるが、ライフスタイルの変化など、AOKIのビジネス自体も変革を迫られているのではないだろうか。

 

そんなスーツのAOKIや、アニヴェルセルを展開する、株式会社AOKIホールディングスの有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

AOKIは、個人営業として歴史が始まり、1965年に法人化。

 

 

その後、1976年に新会社を設立し、業務を引き継いで紳士服及び服飾品の販売を実施している。

 

 

なお、アニヴェルセルを子会社化したのは、2002年である。

 

 

セグメントとしては、スーツのAOKIを展開する「ファッション事業」、アニヴェルセルを展開する「アニヴェルセル・ブライダル事業」、インターネットカフェや、カラオケを展開する「エンターテイメント事業」を認識している。

 

 

最近利用していないものの、「快活CLUB」って普通のネットカフェだった気がしているのだが、最近は上の資料に記載のように「バリ島の雰囲気」が出るほど、様変わりしているのであろうか(;^_^A

 

是非、機会があれば利用して確かめてみたい。

 

 

売上高をみると、「ファッション」の伸び悩みが見て取れる一方で、「エンターテイメント」の伸びが顕著である。

 

いずれ、売上高が逆転する日が来るのではないだろうか。

 

 

既に店舗数では、逆転をしており、コロナ渦でも出店を進めた「エンターテイメント」が今後も成長を続けることが期待される。

 

そして、「アニヴェルセル・ブライダル」の2021年3月期の落ち込みは、コロナ影響であろう。

 

(2021年3月期)

 

確かに、この辺りの時期は結婚式をあげるような世間の雰囲気では無かったと記憶している。。。

 

(2022年3月期)

 

2022年3月期は、コロナ渦からの回復がコメントからも見られるが、収益認識会計基準の適用に伴い会計方針が変わったため、売上高という点については変わってはいないように見えている。

 

(2022年3月期)

 

改めて考えてみると、結婚式は衣装や、お花や、カメラ、動画編集等々、様々な業者が入っているから、そういったものの役務提供が、本人ではなく代理人取引として判断された結果、総額ではなく純額での収益認識となったのであろう。

 

(2022年3月期)

 

売上への影響額としては、約34億円とのことで、そこには「エンターテイメント」のギフトカード収益も含まれているため、全てではないものの、大半が「アニヴェルセル・ブライダル」への売上影響であろう。

 

 

ただ、あくまで売上高の計上が総額から純額に変わっということで、結果として「アニヴェルセル・ブライダル」の売上高は大きくは変わっていないが、セグメント利益は2022年3月期、2023年3月期で大きく改善していることが分かる。

 

 

一番単価の高い、「チャペルウエディング」の組数も上昇傾向にあり、また単価自体もコロナ前の水準に戻りつつあることが分かる。

 

そして、セグメント利益で目に止まるのが、2021年3月期の「エンターテイメント」のセグメント利益の大幅下落である。

 

この時期、カラオケとか、スポーツクラブとかAOKIの「エンターテイメント」に含まれている多くの業態の利用が、敬遠されていたタイミングだったと思われる。

 

(2021年3月期)

 

その中でも、前述した通り新規出店を続けていたため、当時はさらに損失が膨らんでいたものの、その努力が直近で結果として報われているから感慨深いものである。

 

(2023年3月期)

 

(2024年3月期計画)

 

2024年3月期計画でも、一番伸びが期待されているのは、やはり「エンターテイメント」である。

 

 

これからの傾向としては、「ファッション」をより筋肉質な体制で展開を進め、場合によっては退店もしくは縮小し、遊休スペースを「エンターテイメント」の店舗に転換していくということなのだろう。

 

やはり、AOKIは「紳士服の青木」からの大きな転換点を迎えていることは、間違いない。

 

(2023年6月期_第1四半期実績)

 

2023年6月期_第1四半期の実績を見ても、「エンターテイメント」が着実に伸びていることが分かる。

 

なお、コロナ前である2018年6月期_第1四半期の営業利益がかなり低いのは、当時は「ファッション」の構成割合が高く、季節変動が大きかったことが要因と考えられる。

 

(2019年3月期)

 

(2023年6月期_第1四半期実績)

 

さて、アニヴェルセルの結婚式の一組単価を見ると、ほぼコロナ前の水準に戻ってきているように見受けられる。

 

まあ、物価も上がっているという影響は含まれているのだろうが、良い傾向である。

 

いやしかし、結婚式を開催される方にとっては、大変なのだとは思うが。。。

 

そういえば、ご祝儀の相場ってあんまり変わってないんですかね!?

 

少なくとも自分が結婚式に行くようになってから十数年の間で、友人、同僚⇒3万、仕事関係、自分が上司⇒5万という相場は変わっていないと認識している。

 

結婚式のご祝儀の相場を、昭和⇒平成⇒令和で推移を追ってるご祝儀マニアみたいな方はいないだろうか。。。

 

ご祝儀の相場が変わらなくて、結婚式の開催費用だけ上がったら、結構しんどいですよね(;^_^A