ガリバーの決算書を見ていて、中古車販売事業はコロナ渦においても堅調に成長していることを認識した。
自分自身は、コロナ渦でカーシェアの契約を解約し、それ以降もっぱら公共交通機関の利用という状況ではあるが、キャンプとかゴルフとかをする際には車があった方がやはり便利だろうなぁと感じなくもない。
そもそも、世の中の車の交通量はコロナ渦でどうなっているのだろうか。
外出自粛や、緊急事態宣言等の状況を考えれば、減少しているのではないかとも思うが、一方で中古車販売事業が堅調ということはそこまで減少してはいないのではないかとも思う。
交通量が多くなれば、駐車場の利用が増え、交通量が減少すれば、駐車場の利用が減ると想定されることから、駐車場事業のタイムズを展開するパーク24株式会社の有価証券報告書を覗いてみようと思う。
タイムズは、何を隠そう自分もカーシェアを契約していたので、馴染みがある。
カーシェアの状況も気になるところである。
タイムズのセグメントは、比較的分かりやすい。
国内と海外の「駐車場事業」と、カーシェアやレンタカーの「モビリティ事業」。
海外は、イギリスを始め、6か国で展開しているとのこと。
なお、海外の売上は大半がイギリスとのこと。
これは、日本政策投資銀行と連携した取り組みとのことで、イギリスの駐車場事業最大手を買収したことによるものである。
後に見るが、この買収時の「のれんの償却」が、かなり「海外駐車場事業」の足かせになっているようにも見えるのであるが。。。
構成割合としては、やはり「国内駐車場事業」が大半を占めているが、カーシェアやレンタカーの「モビリティ事業」も健闘している。
「海外駐車場事業」が一番顕著ではあるが、他の事業もコロナ渦の2020年10月期、2021年10月期は業績を落としているのが分かる。
やはり、コロナ渦での外出自粛の影響は、交通量の減少につながっているということであろう。
ある程度、致し方ない状況であるが、2022年10月期の「国内駐車場事業」の売上は、ほぼコロナ前の水準に戻っており、タイムズの駐車場の利用料が大きく上がっているという情報はないので、ある程度交通量は回復してきているということだろう。
利益はどうであろうか。
コロナ渦での「海外駐車場事業」の赤字幅が、かなり大きい。
徐々に回復は見せているものの、直近である2023年4月期(第2四半期)でも赤字の状況である。
なお、直近の赤字の大半が「のれんの償却額」であり、買収額に比して未だ大きな成果が出ていないことがうかがえる。
そして、営業利益率を見ると、「国内駐車場事業」は、コロナ前を上回っている。
コロナ渦での不採算駐車場の縮小の成果が、出ている模様である。
「国内駐車場事業」の駐車可能台数自体は、コロナ渦で減少を続けているものの、売上はコロナ前の95.7%まで回復し、営業利益はコロナ前の125%と確実に筋肉質な体制となっていることが分かる。
一方で、コロナ渦に入った2020年10月期に「海外駐車場事業」は、駐車可能台数を増やした結果、2020年10月期、2021年10月期に大きな赤字は連続して計上している。
(2020年10月期)
(2021年10月期)
2021年10月期から不採算駐車場のテコ入れを、積極的に実施し駐車可能台数も大幅にスリム化している姿勢が見えるが、「国内駐車場事業」と同様に筋肉質な体制を確立して欲しい。
場所が海外であったとしても大規模に展開するだけでなく、小規模で効率良く展開していくのがタイムズの強みであるはずであり、今後に期待するばかりである。
(2023年4月期)
また、コロナ渦からの順調な回復が見られる「モビリティ事業」であるが、当該事業の車両数の推移はどうであろうか。
2020年10月期に、大きく車両数を減らしていることが分かる。
(2020年10月期)
「レンタカーの需要に合わせて保有車両台数の適正化」とのことであるが、この臨機応変な迅速な対応はタイムズの強みなのであろう。
さらに、2021年10月期では、カーシェアーが順調であることから、カーシェアの台数を増加させている。
つまり、コロナ渦において機動的にレンタカーからカーシェアーへシフトしたということである。
(2021年10月期)
カーシェアーの契約を解約したのは、借りたい時になかなか借りられなかった事が主要因ではあったが、今であれば改善されているのかもしれないと思った。
カーシェアーは、諸々の費用や手続きが必要ないのが、大きなメリットであり自分のように日常的には車は使わない人には適していると感じる。
後は、車のスペックを上げてくれるとさらに有難い。
自分の感想ではあるが、カーシェアーの車は燃費は良いものの、機能は最低限に抑えられていると思う。
例えば、自動運転とか出来たら、普通に乗ってみたい。
駐車も自動でやって欲しい。
そういう、色々な車や色々な機能を試したいというニーズにも応えられるサービス展開はどうであろうか。
カーシェアーを利用する人は、運転に不慣れな人も一定程度いるはずで、そういった人のニーズとして最新の機能でサポートして欲しいという思いもあるはずである。
そういったニーズに対応するプランの料金は多少、高くてもニーズがあるのではないだろうか。
今後の展開に期待である。
(海外市場の改善も心から期待している。海外だからと言って大きければ良いのではない、より効率的な日本式の展開を!)