エイチ・アイ・エスの有価証券報告書を見て、旅行業界のコロナ渦における壮絶な苦闘を目の当たりにした。
入出国の制限だけでなく、そもそも外出の自粛要請といった状況であったのだから、どうしようもないという思いが感じ取れた。
恐らく、航空会社も同じ状況であったことだろう。
CAに採用されてすぐにコロナ渦となり、他の企業への出向を経験して、2022年頃からCA業務に戻りつつあるというニュースが思い起こされる。
他の企業への出向経験は、CAというお仕事にとって将来大きな糧となるはずではあるのだが、きっと色々な思いがあったことだろう。
このような状況から、感覚的には航空会社も業績が回復しつつあるのではないかという希望を胸に、覗いてみようと思った。
まず、見るとしたらやはりANAとJALの二択かとは思ったのだが、特に理由はなくアルファベット順というくらいの理由で、ANAホールディングス株式会社の有価証券報告書を覗いてみる。
「航空事業」や「旅行事業」は、分かるのだが、ANAには「商社事業」なるものもあるらしい。
商社というから構えてしまうが、主には空港物販店であったり、免税店等の売上が「商社事業」には入る模様。
機内でも商品を販売しているが、その売上も含まれるのだろう。
それでは、事業別の売上推移。
全体の約7割は、「航空事業」。
明らかにメインはやはり「航空事業」であることが、一目で分かる。
そして、コロナ影響も一目で分かる。
2020年3月期に若干下がり始め、2021年3月期に急降下。
希望は、2023年3月期には、既にコロナ前の8割以上まで売上が回復していることである。
利益の推移も、売上と同じような推移なんだろうと容易に想定はされるが、確認する。
予想通り、ほとんど売上と同じシルエット。
(以下の記載も、ほとんど売上と同じ)
2020年3月期に若干下がり始め、2021年3月期に急降下。
希望は、2023年3月期には、既にコロナ前の8割近くまで営業利益が回復していることである。
(2023年3月期)
業績に係るコメントにも、力強さが感じられる。
このまま順調にコロナ前の水準に回復出来れば良いなと思いつつ、業績の回復の推移について、もう少し内訳を掘り下げてみる。
まずは、旅客数。
なるほど、国内線はコロナ前の8割近くまで回復しているが、国際線はまだ4割程度の回復。
確実に回復傾向にあるとは言え、確かにまだ海外には行きやすい環境とは言えないかもしれない。
国際線は、当然単価も高いし、国際線の回復が今後の業績回復のカギとなるのであろう。
しかし、この状況で「航空事業」の売上は既にコロナ前の8割以上まで回復している。
ということは、旅客収入以外が伸びているということだろうか。
「航空事業」の売上内訳を見てみる。
国際線の貨物収入が、コロナ渦で大きく伸びている。
コロナ前と比較して、脅威の11倍以上の売上。
コロナが始まってすぐに、旅客数の減少により使用されていなかったスペースを、貨物輸送に使っているのである。
それも、高単価で受注していることが確認出来る。
(2021年3月期)
(2022年3月期)
(2023年3月期)
さらに、2024年3月期には、日本郵船と資本関係を結び、貨物事業を統合再編していく方針とのこと。
ここまで、来ればまずは安心ではないだろうか。
むしろ、コロナ前よりも強い会社となっているのではないだろうか。
国際線がさらに回復すれば、コロナ前を超える明るい未来が見える。
そういえば、昔から「マイル修行」を、やってみたいという思いがある。
プライオリティ・パスもゲットして、各地のラウンジ巡りもしてみたいなとも思っている。
サウナと違い、お金と時間が結構かかってしまう趣味ではあるが、是非いつか試してみたい。