これまでも、何度もサウナ、サウナと言っていたが、ついにスーパー銭湯の運営会社を見る決心をした。
昨今のスーパー銭湯の運営は、コロナ影響、燃料高の影響を大きく受けていると思われ、恐らく大変なんだろうなという想定と、それを知ってしまうと単純に楽しめなくなるかもしれないという気持ちが、目を背けさせていた。
しかし、これだけお世話になっていて、もう目を背けるわけにはいかない。
余計なお世話かもしれないが、現実を知っているからこそ、「いつもありがとうございます!大変だけど、頑張って下さい!応援しています!」という気持ちが態度に現れるかもしれない。(さすがに、いきなりこの発言を受付の人にしたら、引かれるのであくまで態度で示す前提。)
なお、スーパー銭湯の運営会社も上場している会社は少ない。
大規模に何店舗も運営している会社は、限られているということだろう。
町の銭湯や、プライベートサウナ等であれば、確かに銀行借入やクラウドファンディングで十分に対応出来るからかもしれない。
しかし、サウナブームが続くことにより、今後上場して飛躍する会社がどんどん現れることを期待している。
さて、それでは数少ない上場先から選択したのは、自分も行った事が何度もある「らくスパ」を運営する「株式会社 極楽湯ホールディングス」。
なんとも分かりやすい会社名で、親近感がわく。
有価証券報告書を覗くと。。。
いきなり目に飛び込むのが、「継続企業の前提注記」(いわゆるGC注記)。
「継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。」
株式会社は、永続的に存続する前提で決算書を作成しているわけで、現時点では永続的に存続できるか疑義があるということ。
一言でいうと、「潰れる可能性が(多少なりとも他の会社より)あるから、気を付けて下さい。」ということ。
やっぱりなという思いと、なぜもっと通わなかったんだという思いが交錯する。
そして、借入が多く、ライザップ同様に財務制限条項にも抵触している。
今は超低金利で、金融機関も資金に余裕があるから良いけれど、政策金利が上がって状況が変われば、契約通り一括返済を要求されても文句は言えない。
もうこの時点で、らくスパに駆けつけたくなるのだが、何とかプラスの情報をと自分を落ち着かせる。
らくスパは、中国にも展開しているらしい。
中国では、湯舟につかるという文化があまりない所もあると聞いたことがあるが、これまでお寿司を食べなかった中国でお寿司ブームが起こっているように、十分にビジネスチャンスはあると思う。
それでは、売上はどうか。これまでで、一番ドキドキする。
コロナ影響が一目瞭然だ。
コロナのスタートが早かった中国で、2020年3月期に既に売上減少が見られ、2021年3月期では日本の売上も大きく下がっている。
プラス材料とすれば、2023年3月期の日本の売上が、ピーク時の9割以上回復していることだろう。
営業利益の方はどうだろうか。さらに緊張する。
2021年3月期の日本の営業利益の下落幅は、ジェットコースターだとしたら、相当怖いレベル。
完全にコロナ影響である。
不思議なのは、2021年3月期の中国の営業利益が改善していること。
とにかく、経費を切り詰めるだけ切り詰めたというコメントに読める。
2020年3月期の段階で多額に減損損失を計上済みであったことも、2021年3月以降の業績回復に寄与しているのだろう。
注目すべきプラス情報としては、2023年3月期の日本の営業利益が大きく回復していること。
しかも、コロナ前をも上回っている!!
2022年9月から入館料が値上げされているが、それだけではない数々の施策が燃料高の中でこの営業成績を叩き出したのであろう。
間違いなく、底力がある。
「GC注記」と「財務制限条項の抵触」を見て、急いでらくスパに泣きながら駆け込まなくて良かった。
燃料高の懸念は依然としてあり、さらなる値上げの必要性が出てくる可能性はあるものの、十分に今後財務状況が回復していく希望はあるのではないか。
(資金繰りには、是非気を付けて欲しい。)
(良くはなっているが、もう少し営業利益率は上げて欲しい。)
後は、中国の売上と利益が回復し、アジア圏へのさらなる拡大が望まれる。
ここは、文化を根付かせる必要があるので、簡単ではないと思うが、だからこそ応援したい。
現在の料金が高いか安いかは、それぞれの価値観によって感じ方は様々であろう。
これで、飲食をするとさらに上乗せになるので、少なくとも激安ではないかもしれない。
だからこそ、これからも様々な施策を講じていって欲しい。
個人的には、ちょっと休憩スペースが混んでる印象があるので、予約制にしたり、課金エリアを設けたり、何か改善を試みてもらえると嬉しい。
時代は、スーパー銭湯やサウナに間違いなく追い風だ。