「インバウンド需要」について考えた時に、サイゼリヤや鳥貴族、スシローのコスパの素晴らしさに改めて思いをはせたのであるが、ふとこれらの会社の業績ってどうなっているのかと思い少し調べてみた。
特に理由はないが、まずはサイゼリヤを選び「有価証券報告書」を閲覧した。
サイゼリヤは、日本だけでなく海外にも進出しているらしい。
ただ、海外は中国がメインで香港、台湾、シンガポールにも店舗を出している模様。
ちなみにサイゼリヤと言えばイタリア料理ではあるけれども、まだイタリアとかヨーロッパには進出していないということのようで、今後進出するのだろうか。
ヨーロッパは、食費がものすごく高い印象があるので、現地の価格よりも割安な値段で展開をすれば流行るのではないかとも思うが、この辺りは今後の展開に期待。
次にエリア別の売上高の推移を見ると、やはり日本がまだまだ売上の8割近くを占めている。
そして、やはりコロナ影響を受けていることが分かる。
第48期(2020年8月期)に大きく下がっているのが、その影響だろう。
確かにこの辺りは、飲食店でのお酒の提供が制限されたりもしていたし、さすがのサイゼリヤも空いていた印象はある。
第50期(2022年8月期)は、回復してきているのが分かるが、これも最近サイゼリヤの前に行列が出来ていて、入るのを諦めたことを思い起こせば納得感はある。
(でももう少し、回復しているような感覚はあるのだが。)
ちなみに、中国をメインとするアジアは下がってはいるものの、ロックダウン等が騒がれていたわりには、日本ほどの下落は見られず第49期(2021年8月期)には増加に転じている。
恐らく、我々は中国の一部分しかニュース等で見ていないということかなと思った。
単位:百万円
そして、なんと日本ではコロナが始まって以降の第48期(2020年8月期)から、赤字に転落している。
しかも売上がコロナ前の8割以上、回復した第50期(2022年8月期)でもまだ赤字。
そんな中、アジアはさすがに第48期(2020年8月期)は減益ではあるが、黒字を確保。
やはり、経済成長を続けているとはいえ、まだ人件費や設備投資等の経費が日本より安いということかと予想する。
ただ、アジアも新規出店を進めている結果、売上高は増加しているものの、利益は第50期(2022年8月期)で減少に転じているので、こちらもやはりまだコロナ影響を受けているものと思われる。
単位:百万円
ちなみに、直近の第51期第2四半期報告書でも、日本の売上はコロナ前の9割以上に回復しているものの、依然として赤字。
この推移だと、売上がコロナ前の水準に完全に戻っても、赤字は免れないのではないか。
第51期第2四半期報告書には「資源価格の高騰と円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けて・・・」との記載。
そして「店舗作業・商品・組織の改革に着手し、収益力の底上げを行ってまいります。」との記載が続く。
涙が出そうになる。
こんなに努力してでも赤字で、これでもまだ値上げはせずに、まずは改善と企業努力を続けている。
日本で赤字であることに対する株主からのプレッシャーも、相当なものであろう。
昨今の物価高の状況を前提にすれば、普通に考えて値上げが一番確実な黒字転換への道だ。
決して、デフレの元凶などではなく、褒められるべき姿勢ではないだろうか。
結果として、将来値上げをしたとしても、通い続けようと思った。
今度行ったら、ミラノ風ドリアだけじゃなく、ステーキも頼もう。
もし店舗にサイゼリヤ募金があったら、募金してしまうかもしれない。
ワインもたくさん飲むことにしよう。
酔っ払い過ぎて「出禁」にならないように節度をもって。