ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

ガリバーの決算書を覗く

昨今、中古車販売事業を展開する「BIGMOTOR」が話題となっている。

 

保険金の不正請求等、色々な点で今後説明が求められていくのであろう。

 

今後の展開は、なかなか読めないところではあるが、「保険会社からの損害賠償請求」「業務停止を含む国からの行政指導」「ブランドイメージの低下」等々、厳しい経営環境となることが想定される。

 

もしかしたら、どこかのタイミングで同業他社による買収という話にもなるのではないかと思案する。

 

そういえば、中古車販売市場は活況なのであろうか。

 

自分自身は、昔カーシェアを契約していたのだが、契約当初こそ多少乗っていたものの、使いたいタイミングはやはり契約者みんな一緒で、自宅の近くで予約が出来なかったりという事が続いた。

 

その結果、その後ほとんど乗ることなくある時、1年間以上、月額料だけ払って全く使っていなかったことに気が付き、解約してしまった。

 

でも、ゴルフの時など、友人の車に乗せてもらうと、車があると便利だなと感じ興味がなくもないのもまた事実。

 

ただ、車は飲酒が出来ないのが、最大のネックである。

 

なお周りでは、中古車を購入したという人の話を最近よく聞くし、何なら新車の納期が遅くてやむを得ず新車より高い値段で中古車を購入したという話も聞いた。

 

実際に乗せてもらったが、とてもキレイであり、全く問題は感じられなかった。

 

さすがに新車より値段が高いというのは考え物だが、新車より明らかに安くてそんなに走行距離が多くない中古車であれば、選択肢として十分に検討するべきだと思った。

 

きっと、同じような感覚の人が増えてきているのではないだろうか。

 

ガリバーの名称で中古車販売事業を展開し、上場している株式会社IDOMの有価証券報告書を見てみよう。

 

 

ガリバーは、1994年に設立でなんと2000年に上場している。

 

6年という驚異的なスピードで上場していることからも、急成長をしてきた会社ということが分かる。

 

ガリバーの当初からの強みは、「ドルフィネットシステム」らしい。

 

 

確かに、目の前に車を出されて見たところで、素人が詳細まで分かるはずもないし、車の下に潜り込んで調べるということも現実的には出来ないだろう。

 

また、その情報開示が、実際に消費者の信頼に足るものだったということだろう。

 

よく経済学では、売り手と買い手のどちらかが、一方よりも少ない情報しか持っていないこと、所謂「情報の非対称性」の典型例として、中古車販売をあげるのであるがそこに正面から立ち向かったということだろう。

 

ガリバーのセグメントは、「日本」「豪州」「その他」と至ってシンプル。

 

 

ガリバーがオーストラリアに進出したのは、新車メーカーが同国での生産から撤退することにより、中古車市場が今後大きく成長していくことを見込んでとのこと。

 

その見込み通り、順調に「豪州」の売上は増加していたものの、残念ながら2023年2月期中において撤退をしている。

 

 

 

その結果、2023年2月期の「豪州」の売上、営業利益は、共に3か月分のみの計上となり、2023年2月期で大きく減少していることが分かる。

 

一方、「日本」は極めて堅調な伸びを見せている。

 

赤字だったわけではないオーストラリアからの撤退は、日本市場の成長余地がまだまだあるということの表れであろう。

 

当然、こういった市場環境で、同業他社がブランドイメージの毀損により苦しんでいたら、取り込むという選択肢は検討されるべき状況であろうと確信した。

 

 

ガリバーの小売台数を見ても、2022年2月期までキレイな右肩上がりである。

 

2023年2月期の減少は、新車の納期が遅れることにより、下取りが減りそもそも中古車の在庫が限られていたという面もあるのであろう。

 

(2023年2月期)

 

ただ、販売台数が減少している反面、売上が増加していることからも、中古車の値段は上がっているということが分かる。

 

確かに、中古車の在庫が不足すれば、中古車の値段も上がるだろう。

 

 

実際に、2021年~2023年は、中古車相場の急高騰が見られる。

 

これを見ると、冒頭に記載した友人の新車より高い値段で中古車を買ったという話もよく分かる。

 

ただ、せっかく中古車を購入するので、やはり新車よりも安く、もしくは同じ値段であれば新車よりもグレードアップした車を選びたい。

 

2024年は、コロナ影響、半導体不足の影響も落ち着き、新車納入も正常化することによって、中古車相場も落ち着くのではないかと予想されているが、是非あるべき状況に戻って欲しいと願ってやまない。

 

その結果、さらなる中古車販売事業の成長へとつながることであろう。

 

自分であれば、高速道路のオートパイロットと、駐車を自動でしてくれる機能が欲しい。

 

こういった機能は、カーシェアの車では付いていないし、新車だと高いしということで普通に試してみたいという気持ちが強い。

 

ただ、新車でも中古車でも購入すると車検とか気にしなければいけないことが多いので、そこはデメリットではある。

 

一方、カーシェアだと、車検どころか駐車場代もいらないので、全く契約している事を忘れてしまい気が付いたら全く使っていないということにもなる。

 

中間をとって、サブスクリプションでも検討するか。

 

ただ、最大の問題は、どの選択肢を選んでも飲酒が絶対に出来ないことである。

 

車で行って、飲んだら必ず泊まって、次の日帰る。

 

そうだ、キャンピングカーをサブスクリプションで探そう。

 

もちろん、高速道路のオートパイロットと、駐車を自動でしてくれる機能も付いている中古のキャンピングカー狙いだ。