ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

会計の歴史的な変遷(2/5)

 このようにプロジェクトごとの清算が必要である場合に適している現金主義会計から、その後変化が求められこととなりますが、そのようになった背景には、株式会社の存在があげられます。まず株式会社は、将来に渡って事業を継続するとの前提の上に成り立っているという特徴があります。これを継続企業の前提といいます。仮に継続企業の前提に疑義が生じている場合には、その旨を開示書類にて注記をする必要があります。株式会社の大前提であるからこそ、当該注記の要否については、特に会計監査人の監査を受けている場合、極めて慎重に検討が行われることになり、投資家や債権者である銀行に対して極めてネガティブな情報となるため喧々諤々の議論に発展することからも明らかです。

 ここで、継続企業を前提とした場合にも当然に会計を行うことになりますが、その際には未来永劫会社が継続すると仮定した上で、企業の終わりを待つのではなく一定の期間を定めて会計期間とし毎期決算を行う必要が出てきます。その上で、適正な期間利益計算を行う必要がありますが、そこでは会計期間末日を基準日として決算を行うこととなり、固定資産の認識や信用取引等についても会計上勘案する必要が出てきます。ここで、現金の収支と経済価値の増減との間に時間的なズレが生じることとなります。つまり、当該時間的なズレの発生は、上述の現金主義では対応出来ないことを意味するものであり、現金の収入や支出に関係なく、経済的事象の発生または変化に基づきその時点で収益または費用を計上しなければなりません。このため、発生主義にて会計を行うべく変化をしていったのです。

 

次回は、期間計算における利益の捉え方について歴史的な変遷を記載します。