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会計・税務及び経済関連(時々雑談)

楽天銀行の決算書を覗く(2025年3月期3Q反映)

楽天銀行がまた面白い動きを見せている。

 

ここにきて銀行株が総じて買われるなか、とりわけネット銀行への注目度が急上昇。

 

株価は昨年末比で大きく上昇しており、「金利ある世界」による預金の質が評価されているようだ。

 

さらに、利用者がスマホ経由で銀行サービスを利用する動きがいっそう加速し、メガバンクにはない強みを生かせる展開が続いている。

 

こうした話題をざっと確認しつつ、楽天銀行の最新決算(2025年3月期第3四半期)を覗いてみる。

 


スマホで銀行、ネット銀が優勢か

先日報じられた「金利ある世界では預金の集め方が勝負を決める」という流れのなかで、ネット銀行への注目が高い。

 

スマホを軸とする利便性の高さに加え、店舗を持たずに低コストで預金を集められるのが評価されている。

 

実際に、東京都内企業のメインバンクがネット銀行に移るケースも増えているようで、帝国データバンクの調査では「都内企業のネット銀行利用が5年前の2.2倍」というデータが出ている。

 

メインバンクとしての存在感こそまだ1%前後だが、まだ伸びしろがあるとも言える。

 


楽天銀行が預金12兆円超に

そんななか、ネット銀を代表する存在の一つである楽天銀行が2月12日に「2025年3月期第3四半期(2024年4〜12月)」の決算を公表した。

 

特筆すべきは金利収益の大幅な伸び。

 

マイナス金利下では利ざやの稼げなかったネット銀行も、金利上昇によって預金を集めれば集めるほど収益拡大のチャンスになった。

 

楽天銀行はスマホアプリ中心に口座を獲得しており、給与の受取口座やポイント連携を武器にメイン口座化を推進。

 

預金残高は24年3月末比で15%増え、勢いが増している。

 

また経費率は36.7%とメガバンク(40~50%台)に比べて低い。

 

店舗を持たないネット銀だからこそのコスト優位が生きている形だ。

 


スマホでの口座利用を加速

ネット銀行利用の主戦場はスマホアプリ。

 

楽天銀行の口座は現在1600万を超え、従来のPC経由ネットバンキングからスマホへの移行が一段と進んでいる。

 

アプリで残高や送金を即座に行えるうえ、楽天グループのポイント特典もあり、顧客ロイヤルティが高い。

 

こうした動きは楽天グループ全体のエコシステムともつながっている。

 

楽天証券との「マネーブリッジ」で優遇金利を受け取る利用者も増加。

 

楽天カードの決済と連携したり、楽天ペイのチャージ元に使えるなど、生活に密着したクロスセルが強みだ。

 


2025年3月期第3四半期の決算概況

具体的な数字をまとめると以下のとおり。

  • 経常収益: 1317億円(前年同期比+30%)
    • 金利収益が45%増の895億円と大幅に伸びた
    • 非金利収益も着実に増加
  • 経常利益: 494億円(同+40%)
  • 純利益(親会社株主に帰属): 351億円(同+40%)
  • 通期純利益予想を489億円に上方修正(前期比4割増)

預金残高は24年末からわずか5カ月で1兆円以上積み上がり、計12兆円に到達した。

 

普通預金の金利を引き上げるキャンペーンもありつつ、給与受取口座として定着する「粘着性の高い預金」が増えている模様だ。

 

金利収益が増大する背景には、貸出金だけでなく買入金銭債権(カード債権など)の拡大や、日銀預け金への金利付与の上振れがある。

 

なお業績好調を踏まえ、年度末の純利益予想を489億円へと上方修正したのはポジティブサプライズと言えそうだ。


まとめ

金利上昇のなかで、メガバンクだけでなくネット銀行も大きなメリットを享受している。

 

楽天銀行はその筆頭として預金と融資を着実に伸ばし、投資家の注目を集める存在になりつつある。

 

「ネット銀行は預金コストが低く、口座をスマホで獲得できるため今後も成長余地が大きい」との見方も強い。

 

一方で、金利競争が激しくなりすぎると収益を圧迫するリスクもあるが、楽天銀行はポイントプログラムやグループ連携を駆使して、粘着度の高いメイン口座を増やす作戦が功を奏している。

 

投資家にとっては、「金利ある世界」で真価を発揮し始めたネット銀行にどう評価が集まるか、さらに注目したいところだ。