PayPayの基幹システムは、インドのQRコード決済市場でシェアNo1のPayTMのシステムが基盤となっています。当該システム基盤をベースに追加開発(アジャイル方式)が行われているのでありますが、その開発には多くの優秀なエンジニアのマンパワーが必要となります。金融事業者において、最も留意するべき点はシステム障害を起こすことなく安定してサービスを展開することであり、システム障害が発生した場合には金融庁からの指導が入り場合によっては業務改善命令、業務停止命令が出る可能性も存在します。そのため、システム開発はスピーディーに実行する必要があると同時に、障害を起こすことのない確実な開発が求められるのでありますが、前述した通りシステム開発には多くの優秀なエンジニアのマンパワーが必要であり、その人材を日本だけで調達することは極めて困難と言えます。そこで、PayPayではPayTMへの業務委託を始め、エンジニアのリクルートを国内外で進め現在ではシステム部門(プロダクト本部)の大半が日本国籍ではない多国籍な集団となっています。
現代日本企業の事例分析(5/11)に続きます。
参考文献は以下の通りです。
・深化する日本の経営(千倉書房)
・PayPay株式会社プレスリリース