ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

会計の歴史的な変遷(4/5)

 その後、資本と経営の分離が進み、近年では日本でもコーポレートガバナンスの意識が根付いてきており、村上世彰氏が賛否両論ありながらコーポレートガバナンスを訴えていた十数年前からも確実に変化をしていると感じます。資本と経営の分離が進むと、株主=経営者ではなく経営者が株主へ丁寧に事業の情況を説明する必要が出てきます。これは、継続企業を前提とした企業へ投資をしている株主は、今いくらお金があるかだけではなく、今いくらお金を生み出す力を持っていてそれが将来に渡って得られるのかを総合的に判断して投資の意思決定を行うからです。したがって、株主には会計期間においてどのように、収益を得て、一方で費用が発生しているのかを示すことにより、結果としてどのような要因で会社資本が増減しているかを示すことを可能とするのです。また、日銀におけるマイナス金利施策の影響もあってか、最近の銀行は現在の担保の有無だけでの融資判断ではなく、こうした企業の将来性も勘案して融資を行うケースも見られます。ここに財産法から損益法への変遷を見ることが出来ます。加えて、貸借対照表を重視する静態論から、損益計算書貸借対照表よりも重要視する動態論に基づいた会計に変化をしていったのであります。

 

次回は、国際会計基準IFRS)を踏まえた動向について記載します。