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会計・税務及び経済関連(時々雑談)

相続税法と民法(1/3)

概要

相続税法では、法1条の2に定められている6項目を除き、所得税法法人税法のような用語の意義規定が完全には設けられていません。つまり、民法などの他の法令で定められている用語の意義は、その定められている意味で使用することになります。

例えば、相続税法第1条の3では、「相続又は遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した個人は相続税を納める義務がある。」と規定しています。この相続、遺贈及び死因贈与という用語の内容については、民法において定められており、相続税法には規定されていません。つまり、民法に規定されているものは民法に委ね、民法に規定されていないものを相続税法において規定しています。

 

民法」・・・相続に関する基本事項を規定しています。

相続税法」・・・納税義務者、課税される財産、税率などの制度に関する基本事項が規定されています。

 

相続の意義

民法における「相続」とは、人が死亡した場合に、その死亡した者の妻や子など一定の親族関係にある者が、財産上の法律関係を包括的に承継することをいいます。この場合における死亡した者を「被相続人」といい、承継する親族を「相続人」といいます。また、被相続人から相続人に受け継がれる財産のことを、「相続財産」又は「遺産」と呼びます。

 

相続の効力(民896)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。ただし、被相続人の一身に専属したもの(各種資格、扶養請求権、生活保護受給権など)は、この限りではありません。

 

相続開始の原因(民882)

相続は「人の死亡」によって開始します。失踪の宣告を受けた場合も死亡したものとみなされます。

「普通失踪」・・・7年の失踪期間が満了した時に死亡したものとみなされます。

「特別失踪(危難失踪)」・・・戦争や海難事故に遭って生死が不明な場合には、失踪期間を1年とし、その危難の去った時に死亡したものとみなされます。

 

相続開始の場所(民883)

相続は、被相続人の住所において開始します。

 

相続税法民法(2/3)に続きます。