ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

ラクスルの決算書を覗く(2/2)

 

前回、ラクスルの決算書を覗こうと思ったのだが、ラクスルでの個人的なエピソードで思いの他、長くなってしまったため止む無く2部構成にする事とした。

ラクスルの決算書を覗く(1/2) - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

ようやくではあるが、今回ラクスル株式会社の有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

まず、ラクスルの設立は、2009年。

 

そこから9年経った2018年に、上場している。

 

 

それにしても、最初「ラクスル」と社名を変更した時には、結構思い切った決断だった事だろう。

(※社名の由来は、中小企業の商売を「楽にする」)

 

 

ラクスルのセグメントは、直近では印刷・集客支援のプラットフォームを運営する「ラクスル」と、テレビCM広告のプラットフォームを運営する「ノバセル」の2つである。

 

なお、物流のプラットフォームを運営する「ハコベル」は、持分比率が低下した事に伴って、持分法の対象となったことからセグメントの認識から外れている。

 

 

それにしても、「ラクスル」「ノバセル」「ハコベル」と、もうこのネーミングシリーズで全て攻めていくという覚悟を感じる。

 

 

 

売上を見ると、「ラクスル」の売上割合が圧倒的である。

 

そして、キレイな右肩上がり。

 

一方の「ノバセル」は、2021年7月期に伸びたものの、それからは伸び悩んでいるように見受けられる。

 

利益はどうであろうか。

 

 

セグメント利益で見ても、「ラクスル」の利益が圧倒的であり、こちらもキレイな右肩上がり。

 

これが、勢いのある会社の業績なのであろう。

 

 

「ラクスル」のユーザー数もキレイな右肩上がり。

 

 

平均単価は若干下がっているものの、年間購入者数は、脅威の前期比+25%超。

 

この勢いを可能としているのが、やはり多額の広告宣伝費であろう。

 

 

ラクスルの素晴らしい所は、広告宣伝費を多額に使いながらも、売上だけでなく利益幅をしっかりと拡大している所である。

 

よく見ると、広告宣伝費も2022年7月期をピークに2023年7月期では減少している。

 

うまい経営手腕、と言えるのではないだろうか。

 

ラクスルは圧倒的に安いのにも関わらず、スピーディーでかつ品質も良い(注文する側がちゃんと注文をすれば。。。)。

 

 

ラクスルは、取引効率を良くしコストを削減する事によって、あの低価格を実現している。

 

そして、ITを活用する事で、ユーザー側の負荷も下げられている。

 

だから、商品力があるという事は間違いないわけで、さらにある程度の知名度も既にあるならば、これ以上広告宣伝費を増やす必要もないのであろう。

 

一方で「ノバセル」は、セグメント利益も2022年7月期から連続して赤字であり苦戦が見受けられる。

 

 

平均放映月数が、低下している模様である。

 

(2023年7月期)

 

大企業への顧客層のシフト等、業績回復に向けて施策は講じているようであるが、直近の2023年10月期の第1四半期の業績を見ると、依然として「ノバセル」の苦境(前年同期比でマイナス)が見て取れる。

 

 

対照的に「ラクスル」は、絶好調であり、2024年7月期の業績予想も強気の設定となっている。

 

(2024年7月期_業績予想)

 

ただ、過去からの推移を見れば決して違和感のある計画ではなく、2023年10月期の第1四半期の業績を見ても、十分に達成可能な水準であろう。

 

欲を言えば、「ノバセル」をまさにノバセレば。。。

 

 

また、2025年1月には、麻布台ヒルズへの本社移転が決定しているとのことで、まさにラクスルの躍進を世に示すものである。

 

きっと、社員のリクルートにも一役買うことであろう。

 

ITを活用して効率性を追求しているラクスルが、移転の目的の一つに「従業員が出社したいと思うような環境を整備」としていたのが、意外と言えば意外であったが、それだけ会社の一体感の醸成という点については、効率性の追求だけでは達成出来ないことなのだろう。

 

リモート勤務だけではなく、出社して一致団結!

 

従業員は、ロボットではなく、人間ですからね。

 

ラクスルの決算書を覗く(1/2)

 

これまで、名刺は事務所のプリンタを使用して作成していたのだが、それだとどうしても紙質等にこだわる事が出来ずにいた。

 

そんな中で、同業の友人から「うちはラクスルで作っているよ。安くて速いよ。」という事を聞いた。

 

たしか、CMでラクスルという名前は聞いた事があるなと思い、早速HPを見る。

 

確かに、安いし速い!

 

これは、もう頼むしかないと、さらに詳細に確認していく。

 

しかし、肝心の紙の選択をする時に困った。

 

「マット紙:光沢が抑えられ、落ち着いた風合い」

 

「高級紙:空気を多く含んだやわらなか風合いが特徴」

 

空気を多く含んだ。。。全くイメージが出来ない。。。

 

実際に紙を見ないと、どれを選んで良いのか全く分からない。。。

 

途方に暮れていると、サンプルを無料で届けてくれるとの記載を発見!!

 

すぐに、申し込みをして、数日後事務所にサンプルが送られてきた。

 

事務所で印刷をしている名刺とは全く違うレベルの紙質が確認でき、これがこの安さかと驚愕してすぐに注文を行う。

 

これまでの名刺のデザインを踏襲したかったので、手元にある名刺をPDFにしてHP上で登録して完了。

 

とても、スムーズ、簡単!!

 

配送までのスケジュールは、課金制で早くすればするほど、追加料金がかかるといった具合。

 

所用で近く名刺を配る機会があるので、とりあえず3営業日後の配送にて注文をかける。

 

しかも、土日も営業日数に数えるという、顧客ファーストの姿勢。

 

金曜日の午前中に注文したのだが、月曜日の午後にはしっかりと届いた。

 

開封すると、耐久性のありそうなプラスチックのケースに名刺が整然と納められているのが確認出来る。

 

もううれしくて、ケースの開け方も良く分からなかったが、押したり引いたりをしてついに自分の新しい名刺とご対面である。

 

新たな歴史をこの名刺と共に、築いていこう。

 

1枚手に取って分かる、紙質の良さ。

 

カラーの色彩もキレイに出ている。

 

あれ??

 

そこで、何か違和感を感じた。

 

いや、そんな訳がない。

 

そんなはずがない。

 

角度を変えて何度も名刺を眺める。

 

。。。

 

。。。

 

文字が歪んでいる。。。

 

よく見ると、右上のロゴも歪んでいる。。。

 

見えなくはない、見えなくはないのだが、明らかに歪んでいる。

 

まさか、PDFで取り込んだデータのせいか。。。

 

取り込んだデータを改めて見たのだが、歪んでいるようには見えない。

 

でも、やっぱりラクスルのフォーマットを利用しないと、こうなってしまうのかもしれない。

 

通常の印刷会社であれば、「これ、歪んじゃうから止めた方が良いですよ。」とか事前に言ってくれるのであろうが、ラクスルは紙も印刷技術も良い上に破格の値段で出来るからには、相応のコスト削減が裏にあるわけで、基本的には明らかに歪んでいてもそこはユーザーの自己責任なのであろう。

 

そう、自分がいけなかった。

 

ラクスルは何も悪くない。

 

いや、むしろこのクオリティーでこの値段は、本当に破格であると断言できる。

 

後は、そのプラットフォームに自分がちゃんと乗れるか次第ということである。

 

そして、これだけ効率性を徹底したプラットフォーム作りをしているラクスルの業績が、心底気になった。

 

これは、もう決算書を見るしかない!!

 

とここまでで、かなり長くなってしまったので、続きは「ラクスルの決算書を覗く(2/2)」にて記載しようと思います(;^_^A

ラクスルの決算書を覗く(2/2) - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

HISの決算書を覗く②(2023年10月期反映)

ついにと言って良いであろう、HISの2023年10月期の決算情報が開示された。

 

個人的には、前回決算書を覗いたHISがコロナ渦のどん底から、どこまで回復してきているか、ずっと気になっていた。

HISの決算書を覗く - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

周りを見ると、もうマスクをしていない人も多いし、国内旅行であればハードルを感じる人は、既にほとんどいないのではないだろうか。

 

一方で、海外旅行となると、、、まだ少し抵抗があるかもしれない。

 

何となく、しばらく海外に行ってないから、まだ怖いという感じと、やはり円安の影響も大きいのではないかと思う。

 

さらに言えば、国内でも旅行に行けていなかったから、まずは国内でいいよねという思考になる傾向にあるのではないだろうか。

 

確かに、国内だって海外には負けないスポットがたくさんあるもので、それ自体は悪いことでは全くない。

 

ただ、それが旅行会社の決算にどう影響しているのかというのが、気にかかる所である。

 

胸の高鳴りが止まらないと言っても、言い過ぎでは本当にないのであるが、株式会社エイチ・アイ・エスの2023年10月期の決算短信を覗いてみようと思う。

 

まずは、売上である。

 

 

う~~ん。。。

 

主力事業である「旅行事業」は、コロナ前である2019年10月期の3割程度の回復といったところであろうか。

 

 

もちろん、前年比では大きく回復はしてきているものの、特に海外旅行の取扱高の回復が鈍い。

 

そして、訪日旅行取扱高の回復も、まだまだといったところである。

 

一方で、国内旅行の取扱高については、ほぼコロナ前の水準に戻っている。

 

「全国旅行支援」等の政府施策の効果もあるのであろうが、これを契機として今後は海外旅行にもつながる可能性があるのではないだろうか。

 

まずは、国内旅行にいって、そろそろ海外旅行に行きたいねとなるのが、自然な流れではないだろうか。

 

期待したい。

 

 

そして、営業利益については、コロナ渦での赤字幅がとてつもない金額規模なので、推移で見るとよく分からないのであるが、しっかりとどのセグメントも黒字転換している。

 

なお、「旅行事業」に次ぐ規模の赤字を出していた「エネルギー事業」は、撤退をしており、正確に言うとこちらは黒字転換ではなく連結除外となっている。

 

(2023年10月期)

 

 

営業利益、経常利益は約14億円とまだまだ、コロナ前の利益水準と比べると小さいのではあるが、一方で前期の500億円近い経常利益の赤字幅と比べると、本当に喜ばしい状況である。

 

前期の注記で開示されていた、財務制限条項への抵触についての記載もすっかり消えている!!

 

(2022年10月期)

 

(2023年10月期)

 

そんなこんなでようやく、営業利益が黒字転換したわけであるが、残念ながら最終利益は赤字のままとなっている。

 

その原因は、、、減損損失である。

 

 

せっかく、各セグメントが黒字転換しているのにと思ってしまうのであるが、そんな簡単な事ではないらしい。

 

 

やはり、海外拠点の業績が戻っていないのである。

 

グアムのホテルで約20億円、カナダで約6億円の減損損失の計上。

 

まあ、ただ見方を変えれば、これで会計上の手当はしてしまったということも出来るわけで、後は海外の取扱高が回復していくにしたがって、営業利益、経常利益幅が拡大し、最終利益も黒字転換する日も遠くないと言えるかもしれない。

 

(2024年10月期_計画)

 

しっかりと、2024年10月期は、最終利益の黒字を見込んでいる。

 

ようやく、そういうステージに来たかという安堵感と、ハウステンボスの売却など、痛みは伴ったものの、よく耐え抜いてくれたと思ってならない。

 

もちろん、まだまだ油断は出来ない状況ではあるものの、最高顧問となった創業者の澤田氏も少しはほっとしているのではないだろうか。

 

 

コロナで大きく毀損した純資産残高が、今後V字回復する日を願って止まない。

 

最近の旅行会社は毎月定額で積立が出来る会社が多く、HISもご多分に漏れず「毎月払いコース」があるのだが、そこで少しずつ積み立ててみようかなと思っている。

 

それには、もちろんHISの将来を信用しなければならないが、この積立金を示す勘定科目である旅行前受金の残高は、前期比で倍増している。

 

これが、世間のHISと今後の旅行への期待の現れなのであろう。

 

まずは、最低積立金額から検討したい。

 

ベネッセの決算書を覗く

先日、ベネッセが創業家によるMBOの実施で、上場廃止となるニュースが報道された。

 

 

 

47,818,900株を下限として、1株2,600円で買付を行うので、総額は少なくとも1,200億円以上となる。

 

ドジャースと1,000億円で契約した大谷選手でも、ちょっとは驚く金額ではないだろうか。

 

ベネッセと同業である学研の決算書を覗いた際には、教育分野の伸び悩みが見られる一方で、医療福祉分野の拡大が確認出来ていた。

学研の決算書を覗く - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

ベネッセも介護分野には参入していると事前に認識していたため、同様に業績は悪くないのではないかと思っていたから意外であった。

 

なぜなら、MBOを実施するという事は、基本的に業績が低迷していて株価が安くなっているという事であるから。

 

自分は、進研ゼミを子供の頃にやっていたので、どちらかというと学研よりもむしろ思い入れがあるだけに、決算書を覗かずにはいられなくなった。

 

進研ゼミの教材は、とても考え抜かれていて、付録もとても充実していた記憶がある。

 

答案を採点してくれる通称「赤ペン先生」も、解答用紙に絵をたくさん書いて採点してくれるなどホントによく教育されているなと子供心に思ったものである。

 

Z会も実はやっていたのだが、Z会の教材は進研ゼミとは真逆な無機質で、同じ子供用の教材なのに全くポリシーが違うんだなあとずっと不思議に思っていた。

 

今思えば、同じ子供でもタイプが全然違うわけで、進研ゼミのマンガのような教材が良い子と、必要最小限の情報が無機質に書かれているZ会のような教材が良い子がいるという事だろう。

 

個人的には、進研ゼミの教材の方が圧倒的に好きだったのではあるが(;^_^A

 

そんな、個人的には子供の頃から思い入れのある進研ゼミを運営する、株式会社ベネッセホールディングスの有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

ベネッセの創業は古く、1955年。

 

きっと、創業者は、子供に寄り添ってやる気を引き出すような教育ポリシーを持っていたに違いない。

 

そうでなければ、あんな教材は作れない。

 

創業から40年経って、上場。

 

むしろ、このタイミングでよく上場という選択をしたものだと思ってはしまうのだが、この辺りで海外展開や、介護事業にも参入しており拡大局面であったのだろう。

 

 

ベネッセのセグメントは、進研ゼミを運営する「国内教育事業」、こどもちゃれんじを運営する「Kids&Family事業」、そして介護事業を運営する「介護・保育事業」である。

 

 

セグメント別の売上で見ると、良くも悪くもあまり変化が見られない。

 

まず、英会話で有名な「ベルリッツ」を20223月期に売却したため、20233月期からセグメント認識がされていない。

 

(2022年3月期)

 

そして、学研では顕著な右肩上がりであった「介護・保育事業」の売上に、あまり変化が見られない。

 

 

ベネッセにおいても「介護・保育事業」への設備投資額は、毎年多額に行っているものの、なぜか売上が伸びていない。

 

 

その理由は、コロナ渦で入居率が低下していた事が要因である。

 

学研は、この入居率がコロナ渦でも上昇をしており、この違いが、業績の違いとして表れているものと思われる。

 

直近では、入居率も上がっているため、いずれにしても今後に期待が持てるのは間違いないであろう。

 

 

セグメント利益で見ると、「ベルリッツ」の連続赤字が続いていたことが分かり、売却は止む負えない状況だったのかもしれない。

 

(2022年3月期)

 

ちなみに、2022年3月期には、「ベルリッツ」を売却したことに伴って、95億円もの売却損を計上している。

 

ここまでいくと、「ベルリッツ」の売却は、損切りの意味合いもあったのではないかと思ってしまう。。。

 

(2022年3月期)

 

そして、2022年3月期には、「国内教育」のセグメント利益が伸びている。

 

その要因として、塾・教室事業の顧客数や学校向けの教育事業の受注が増加した事に伴う売上増加によるものとのことであり、それ自体は大変喜ばしいことである。

 

一方で、屋台骨である「進研ゼミ」と「こどもちゃれんじ」の会員数が減少傾向であることは、注視しなくてはならない。

 

 

明らかな減少傾向にあり、このまま減少が続けば業績への影響は避けられないであろう。

 

創業家には、そういった危機感があるのかもしれない。

 

 

海外の会員数も同じく、減少傾向にある。

 

こういった状況を受けてかもしれないが、今後の事業計画の変更に伴ってセグメント変更が行われている。

 

 

海外こどもちゃれんじが、「その他」となり、「介護・保育」が格上げとなった感じだろうか。

 

今後の「介護・保育」のポテンシャルを考えれば、合理的な判断と言えるだろう。

 

また、「大学・社会人」が新たにセグメント認識されている。

 

確かに、進研ゼミのような懇切丁寧な教材で、大人になっても勉強したい。。。

 

 

ただ、現状はUdemyというプラットフォーム上で、講座の提供者が動画をアップするような仕組みらしい。

 

1講座、数千円~数万円するように見受けられたが、進研ゼミの精神はそこに受け継がれているのだろうか。。。

 

数百円なら、気軽に試せるのだが。。。

 

ちなみに、サブスクもあるみたい。

 

2024年3月期中には、MBOが成立するスケジュールであるベネッセとしては、まさに激動の期の真っ最中ではあるが、増収増益を見込んでいる。

 

(2024年3月期_計画)

 

これに対して、直近の実績も順調に来ているようであるが、やはり「介護・保育」が起爆剤となっている模様。

 

(2024年3月期_第2四半期実績)

 

逆になんで学研みたいに、これまで右肩上がりではなかったんだろうか。

 

そこにも、創業家の不満があったのかもしれない。

 

 

MBO成立後は、機動的な意思決定により積極的なM&Aで教育事業、介護事業を加速させるとのこと。

 

確かに、これまで培ってきた「国内教育」と、成長が見込める「介護・保育」に力を入れるというのは、経営判断として十分にうなずけるものである。

 

出来れば、スタディングみたいに社会人向けの独自コンテンツも展開して欲しい気はしている。

 

また、進研ゼミの教材で勉強したい!!

 

そう思っている大人は、結構いるのではないだろうか。

 

それが、ベネッセの強みではないだろうか。

 

ベネッセさん、ファンはたくさんいますよ!!

 

非上場になっても、寄り添う教育スタイルを貫いて下さい、応援しています!!

 

サイバーエージェントの決算書を覗く

昨日、いつも使わないATMでお金を下した。

 

最近は、あまり現金を使うケースも少なくなってきたので、いざという時にお金がくずれてなく1万円札しかない場合もある。

 

なので、いつもお金を下す時に千円札も入るように、9万9千円を下すようにしている。

 

昨日も、いつもと違うATMではあるが、パパパと画面をタッチして引き出しを行ったのだが、なんだか凄いパタパタとお札の数を数えている音がATMからする。

 

しばらく待つと、とんでもない札束がATMから出てきたのである。

 

なんだ、これは??と驚くと同時に、なぜか後ろをキョロキョロしたりして、もしかしたら不審者に見えたかもしれないが、そのくらい動揺した。

 

よく見ると、9万9千円が全て千円札だったのである。。。

 

つまり、千円札が99枚出てきた。

 

一瞬、とんでもない大金を手にしてしまったと思ったのだが、全て千円札と分かった今、さてこれをどうするべきだろうかと、ATMの前で悩む。

 

幸い、ATMに並んでいる人がいない事は、後ろをキョロキョロした際に確認している。

 

千円札99枚は、まず財布には入らない。

 

カバンに入れて、持ち歩くか!?

 

いや、無造作にカバンに大量の千円札を入れていたら、何か荷物を出した際に、誤って千円札をその場にバラまいてしまうかもしれない。

 

そんな事を一通り考えて、止む無く再度ATMに入金をした上で、出金をし直した。。。

 

どうやら、「99」を入力した後に「千」を押すと、99枚の千円札という事になるようだった。

 

「9」を入力した後に「万」を押して、再度「9」を入力した後に「千」を押すのが正解らしい。

 

コンビニのATMで下すことが多いのだが、今までこの操作に気を使ったことはないので、仕様が違ったのだろう。

 

そんなこんなで、通常の3倍手間をかけて、出金をしたのであるが、思いがけず突然大金を手にした時(自分の場合は、勘違い)、人は驚いてしまうものだろう。

 

宝くじとか、ギャンブルとかは、もちろんであるが、かつてあったITバブルも多くの若い起業家に大金をもたらした事例であろう。

 

先日、決算書を覗いたU-NEXTの代表取締役社長CEOである宇野氏が、インテリジェンス時代に同社へ入社した藤田氏もその若い起業家だった一人である。

U-NEXTの決算書を覗く - ogurakaikei’s ブログ (hatenablog.com)

 

藤田氏は、サイバーエージェントを起業後わずか2年で上場させ(当時史上最年少)、その後村上ファンド等による買収危機もありながら、現在も会社を成長させている。

 

その意味では、ITバブルで大金を手にしながらも、浮足立つ事なく、自分のように後ろをキョロキョロ見る事もなく、しっかり地に足を付けていた結果と言えるのではないだろうか。

 

ITバブルで急成長した多くの会社が消滅していった中で、やはり藤田氏は経営者として一流だったという事ではないだろうか。

 

 

サイバーエージェントは、なんと創業以来26期連続で、増収なのである。

 

そんな藤田氏が代表取締役社長を務める、株式会社サイバーエージェントの有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

サイバーエージェントの設立は、1998年。

 

藤田氏が、宇野氏のサポートを受けて設立したのだが、その後2年で上場。

 

既に記載したが、当時、史上最年少での上場であった。

 

2004年に藤田氏悲願のメディア事業である「Ameba」が開始されているが、2000年に上場してからこの2004年の間には、上場で多額の資金を保有していたサイバーエージェントの買収の危機が、幾度もあったというのは有名な話である。

 

これを、書き始めると、これで終わってしまうので、詳細は記載しないが、村上氏や宇野氏、三木谷氏、熊谷氏など、著名な登場人物達による、まさに経済ドラマのような攻防が繰広げられているので、是非確認して欲しい。

 

 

 

サイバーエージェントが展開する事業は、創業からの強みである「インターネット広告事業」を中心に「ゲーム事業」、藤田氏がこだわりを持って展開している「メディア事業」、そしてこれも藤田氏が自身のライフワークと語っているのを、どこかで見た事があるが「投資育成事業」と続く。

 

 

セグメント別の売上では、創業からの圧倒的な強みを持つ「インターネット広告」の右肩上がりが目に止まる。

 

(2023年9月期)

 

インターネット広告は、どれだけ効果的に広告を表示して、クリックをされるかという事が重要なのであろうから、ビッグデータを分析するためにAI・DX分野への積極投資が、必要不可欠である。

 

そこに継続的に力を入れているから、常に業績を伸ばし続けられるのであろう。

 

 

今後も、その方向性は不変のようである。

 

そして、「ゲーム」も上下はあるものの、既に2大事業と言って良いのではないだろうか。

 

「メディア」も着実に売上規模を拡大しているのが、確認出来る。

 

 

セグメント利益で見ると、「ゲーム」の収益性の高さと、ヒット作がある時とない時の波の大きさを改めて感じる。

 

(2021年9月期)

(2023年9月期)

 

2021年9月期は、「ウマ娘プリティーダービー」というゲームが、大ヒットしたようである。

 

全く知らなかったのだが、面白いのだろうか。。。

 

試してみようかな。。。

 

スマホで出来るんですよね??

 

 

サーバーエージェントの研究開発費は、主に「ゲーム」の開発に費やされているようであるが、その規模は年々大きくなっている。

 

2023年9月期は、約100億円の投資がされており、これは「ゲーム」の売上の6%近くを占める。

 

また、大ヒットが生まれるかもしれないと、期待が持てる投資額である。

 

 

なお、これだけ投資をしている「ゲーム」は、同時に多額の減損損失も恒常的に発生させており、大ヒットを生む苦しみも決算数値から見て取れる。

 

そして、目立つのが、「メディア」の連続赤字である。

 

(2023年9月期)

 

売上規模は、年々大きくなっているのであるが、現時点ではマネタイズ出来ているとは言い難い業績である。

 

サイバーエージェントは、自社コンテンツにもこだわっているようなので、「ゲーム」と同様に大ヒット作が出るか出ないかも大きいのかもしれないが、確実に毎年利益が出るようにすることが、今後のサイバーエージェントの大きな経営課題になってくるだろう。

 

 

(2024年9月期_計画)

 

2024年9月期も創業以来連続の増収を見込んでいるが、「インターネット広告」が順調で「ゲーム」が大コケしない限り、サイバーエージェントはこれからも成長出来るに違いない。

 

そして、「メディア」がマネタイズに成功した時には、サイバーエージェントが数段階違う次元に飛び立つ時であろう。

 

そこが、藤田氏の目指している世界に違いない。

 

藤田氏が起業する時に、宇野氏から「馬とフェラーリ」を買わなければ、自由にやって良いとアドバイスを受けたと聞く。

 

それから、20年以上の時が経ち、藤田氏はついに宇野氏から馬の購入を許可されたと聞く。

 

逆にそれまで、ちゃんと守っているのが凄い。

 

これが、ITバブルで大金を手にしながらも、浮足立つ事なく、経営の第一線で居続けられる所以ではないかと感じる。

 

千円札99枚を目の前にして、驚いてしまう自分には極めて教訓となる話である。

 

U-NEXTの決算書を覗く

先日、いつも重宝しているアマゾンのオーディブルで「起業家の勇気」という、宇野康秀氏の生い立ちから3社を上場させたその軌跡が記された書籍を聞いた。

 

最近のオーディブルは、こういったビジネス系の書籍のラインナップも充実してきていると感じている。

 

ちなみに、たまに著者本人が自ら朗読している書籍もあるのだが、あれは本人がアマゾンに売り込んでいるのだろうか(;^_^A

 

個人的に、ちょっと気になっている。。。

 

それはさておき、宇野氏のビジネスへの才覚と勇気、不屈の精神には心底驚かされた。

 

単純に会社を3社上場させる時点でとんでもない事なのであるが、決して平坦とは言えない中での、不屈の精神には感銘を受けた。

 

そんな、宇野氏が現在、代表取締役社長CEOを務めているのが、株式会社USEN-NEXT HOLDINGSである。

 

「NEXT」と言うだけあって、色々な経緯を経ての会社ではあるが、その辺りも踏まえつつ、有価証券報告書を覗いてみたいと思う。

 

 

まず、最初の最初に出てくるのは宇野氏の父親が創業した「大阪有線放送社」である。

 

「大阪有線放送社」は、宇野氏の父親の代で既に業界に確固たる地位を築いていた会社なのであるが、宇野氏はそこに入ることはせずに、自ら起業して、まずその会社(インテリジェンス)を上場させている。

 

インテリジェンス時代から、既に宇野氏は有名な若手起業家の一人であったが、次男であったこともあり、元々は父親の会社に入ることは全く考えていなかったというのは有名な話である。

 

しかし、病床の父親からの突然の後継指名により、宇野氏は「大阪有線放送社」を継ぐことになるのだが、そこから光ファイバー・ブロードバンドサービスに乗り出し、2社目の上場。

 

その後、動画配信サービスである「GyaO」も展開するのであるが、同時に加速をさせていたM&Aにより保有していた多数の子会社株式が、2007年の世界的金融危機の影響を受け、その株価を大きく落とした結果、責任を取る形でUSENの代表取締役社長を辞任している。

 

 

ただ、そこから凄いのが、会社分割により一部事業を承継し、その会社で「U-NEXT」などのサービスを開始。

 

2014年には、3社目の株式上場を成し遂げている。

 

そして、2017年には、過去退任したUSENを吸収合併し、その歴史を見事に取り戻した。

 

もうこの経緯を見ているだけで、十分お腹いっぱいという印象なのであるが、それはそのはずで、だからこそ本が1冊書けてしまうのである。

 

 

ようやく、セグメントになるが、動画配信から、自動精算機、電力の販売など結構バラエティーにとんでいる。

 

ただ、よくよく、そのつながりを見ていくと、以下の通りちゃんと各事業の間でシナジーが考えられていることが分かる。

 

 

だからこそ、3社も上場させられるのだろう。

 

 

売上で見ると、安定している「店舗サービス」に加え、急成長している「コンテンツ配信」が牽引し、「エネルギー」もその後を追って急拡大している。

 

 

利益で見ると、こちらも「店舗サービス」の安定感が見られる。

 

やはり、60年を超えて携わっている有線放送には、圧倒的な強みがあることは確かなのであるが、当然それだけではなくPOSレジなど、既にあるネットワークを活かしてDXやIoT商材も展開しているのである。

 

 

(POSレジ期末課金件数)

 

有線放送だけでは、先細りしてしまう事は明らかで、そのネットワークを使って、その他の商材も展開している。

 

一見、関係ないような事業に見えても、しっかりとつながっているのである。

 

(コンテンツ配信_課金ユーザー数)

 

そして、「コンテンツ配信」のユーザー数も着実に伸びており、直近ではParaviとの連携で大きく会員数を伸ばしている。

 

コンテンツビジネスは、会員数が多くなれば、よりよいコンテンツを仕入れたり、制作出来るという好循環が生まれるビジネスであるから、これから一層の成長が見込まれるだろう。

 

そして、「エネルギー」の成長も顕著であり、こちらも着実に契約数を増加させている。

 

(エネルギー_顧客件数)

 

さらに、調達電源最適化により、2023年8月期のセグメント利益は、大きく伸びている。

 

(エネルギー)

 

こんなに顕著に利益率が変わるのか!?今まで何していたんだ!?(;^_^Aというレベルの伸びである。

 

(2024年8月期計画)

 

当然、来期も増収増益!!と思っていたら、「エネルギー」の売上が落ちている??

 

これは、「エネルギー」の契約件数の純減を見込んでのことのようで、やはり他社もどんどん参入してきているということだろう。

 

一方で、大幅な売上増かを見込んでいるのが、「コンテンツ配信」である。

 

 

日本国内のシェアは第2位ではあるが、既に、コンテンツ数は国内No1とのことで、電子書籍も見れてしまうようである。

 

NHKやテレビ東京とも一部のコンテンツの連携を、しているようである。

 

昔の自分は、こういう時にすぐ会員になって、気が付いたら1年くらい全く見ていないアプリがたくさんあり、意を決して整理した経験があるため、慎重に吟味をすることにはなるが、今後の「U-NEXT」の展開には大いに期待している。

 

何と言っても宇野氏が、国内のシェア第2位の地位に甘んじているはずがない。

 

ところで、国内第1位はどこなんだろうか。

 

プライムビデオかな!?ネットフリックスかな!?

 

任天堂の決算書を覗く

最近、ブログを書いていて、子供達はデパートの屋上の遊具で遊んだり、外で遊んだりするより、携帯ゲーム機をみんなで持ってきて遊んでいるのではないかという、偏見とも取れる見方をしてしまっている事に若干の反省をしている。

 

ただ、実際にマンションのロビーでも、子供達はswitchを持ち合って遊んでいるし、何なら公園にいるのにswitchで遊んでいさえもする。

 

自分の子供の時は、携帯ゲーム機としてゲームボーイはあったけれど、白黒で画質も荒く、そして動作も遅い、持っていてもとても重い。

 

対戦機能は、ケーブルが無ければ出来なかったはずである。

 

そして、乾電池式ですぐ電池が切れる。

 

それでも、ケーブルをつないで野球ゲームとかを一生懸命友達とやったりしていた記憶はあるのだが、正直言ってずっとやっていると間違いなく飽きる。

 

白黒だから、目も疲れる。

 

やり過ぎると、頭が痛くなって車酔いしているような感覚になる。

 

だから、ゲームボーイをずっとやり続けるというのは、逆にかなり苦しかったと思う。

 

それが、今は携帯型なのにあんなにキレイな画面で高機能で、面白いソフトがたくさんあってという状況なのだから、そりゃ外にいてもゲームやりますよねと思ってしまう。

 

したがって、デパートの屋上の遊具よりswitchを選んでいるというのは、当たらずも遠からずというところではないかと、自分では思っているのではあるが、そうだとすると見方を変えれば、任天堂はとてつもない好業績なのではないかとも思った。

 

そんな興味も湧いてきたので、自分も子供の頃に、もちろんお世話になった任天堂株式会社の有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

任天堂の創業は、戦後間もない1947年。

 

歴史ある会社というのは、納得感はもちろんあるのだが、「かるた・トランプ」を製造販売していた事実を初めて知った。

 

確かに、初めからファミコンなんて作れないですよね。

 

1962年に上場し、ファミコンが発売されるのが1983年。

 

 

そこから「ゲームボーイ」「スーパーファミコン」「64」と、懐かしいゲーム機の発売が続く。

 

「スーパーファミコン」なんて、初めて親戚の家で見た時になんという世界観なんだと感動した事を今でも覚えている。

 

まさに「スーパー!!」ファミコンであった。

 

そんな、ファンを作り続けている任天堂であるが、セグメントはなぜか単一セグメント。

 

 

国内と海外くらいは分けていいのではないかとも思うが、任天堂のゲームは万国共通で海外市場に向けての仕様とかそういうレベルの話ではないということだろうか。

 

でも海外のゲームは、当然ゲーム内での言語は各国で違うんだろうな。。。

 

何か国語に対応しているのだろうか、若干気になった。

 

 

そんな単一セグメントの任天堂なので、全体の売上を見ると、やはりコロナ渦なんて関係なし。

 

むしろ、コロナ渦で売上が増加している。

 

 

経常利益も売上とほとんど同じ、推移。

 

若干、2023年3月期で伸び悩んでいるようにも見えるが、何かあるのであろうか。

 

(2023年3月期)

 

なるほど、半導体不足がここでも影響している。

 

そして、年末商戦ではハードウェアの販売が、2022年3月期よりも苦戦したとのこと。

 

 

確かに、ハードウェアの販売台数は、2021年3月期をピークに減少傾向にある。

 

 

それを、安定したソフトの販売でカバーしているという状況らしい。

 

それにしても、2021年3月期には、ハードを3,000万台近く販売して、日本の人口1億2千万人から考えればどういうことなんだとふと思ったが、それは完全に間違いであった。

 

任天堂は、世界の任天堂なのである。

 

 

海外売上の方が国内売上よりも、はるかに大きい。

 

マリオは、日本だけの物だと思っていたら大間違いである。

 

海外の知人が出来たら、言葉なんて通じなくても、一緒にゲームをすれば友達になれる事間違いなしである。

 

 

当然、国境、世代を超えて、人々を魅了して止まないコンテンツを作るためには、多額の研究開発費が必要となる。

 

研究開発費は、年々上昇しており、2023年3月期では、年間1,100億円!!!

 

楽天モバイルの資金繰りで奮闘されている三木谷さんも、驚きの投資額である。

 

売上の7%近くを、研究開発費にあてている状況である。

 

ディズニーランドの設備投資と同じで、間違いなくここに強さの秘訣がある。

 

(2024年3月期_当初業績予想)

 

一方で、2024年3月期は、当初若干弱気の業績予想であった。

 

これには、少しは円高に振れるだろうという想定為替レート等の影響もあったのであるが、switchの販売も伸び悩むとの想定があったようである。

 

(2023年9月期_第2四半期実績)

 

ところが、ふたを開けてみると、2023年9月期_第2四半期実績で前年同期を大きく超える業績を叩き出している。

 

 

switchの販売台数も前年同期比で、上回っている。

 

(2024年3月期_見直し後業績予想)

 

2023年9月期_第2四半期実績を受けて、2024年3月期の業績予想を上方修正しているのだが、それでもまだ慎重な予想。

 

しかも、switchの予想台数は、修正していない。

 

とても、慎重な会社なんですね、任天堂さん。。。

 

この辺りは、なんだか奥ゆかしいと言うのか何というのか、控えめな古き良き日本らしさが出ている気もするのではあるが。

 

最近は、めっきりゲームをしていないが、昔を思い出してちょっとやりたくなってきた。

 

ところで、今はどんなソフトがあるのだろうか。

 

昔と同じく、まず初めはマリオだろうか。

 

とswitchを検索すると、なんだか色々モデルがある。。。

 

「通常モデル」に加え「有機ELモデル」、「Liteモデル」。

 

それぞれ、値段が違って、特徴があるようだ。

 

まずは、そこの理解から始めよう。。。

 

そういえば、一時期流行っていた「ニンテンドーDS」は知らない間に消えてしまったようだ。