ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

吉野家の決算書を覗く

最近、忘年会の話がちらほらと出るようになってきた。

 

気が付けば、もう10月末で今年も残り2か月。

 

今年の年末は、コロナの制限も大分無くなってきたので、12月の飲食店の予約は早めに動いた方がいいかもしれない。

 

飲み会では、散々食べて飲んでとなるのだが、なぜか帰りにまた食べてしまうのが、吉野家の牛丼である。

 

絶対にもう食べる必要はないくらいお腹はいっぱいなのだが、それでも食べたくなってしまう。

 

そして、どんなにお腹いっぱいの状態で食べても、間違いなく美味しい。

 

ちなみに全然関係ない話ではあるが、個人的に「なぜ吉野家は券売機を置いていないのか」という点について不思議に思っている。

 

松屋とかは、普通に券売機があるので、実はその感覚で昔、完全にボーっとしていて、食事後に堂々とお会計をせずに店を出てしまったことがある。

 

しかも、その時食べていたのは、牛丼特盛+卵という高単価。

 

店を堂々と出て(「ご馳走様~」と言っていたかもしれない)100メートルくらい歩いて、ふと会計をしていない事に気が付き、急いで店に戻って謝罪と共に支払いをした記憶があるのだが、同じような経験をした人はいないだろうか。。。

 

こんなトンチンカンなミスはなくても、普通に券売機を置いた方が、オペレーションも効率良く進められるし、オーダーミスもなくなるのではないだろうか。

(たまに、いつまで経っても、オーダーを取ってもらえない人を見たりもする。)

 

ただ、券売機を置いていないのは、「お客様との接点を残す」という吉野家のこだわりからのようで、そう言われてしまうと何も言えないところではある。

 

そんな、世間から愛されて止まない株式会社吉野家ホールディングスの有価証券報告書を覗いてみようと思う。

 

 

株式会社吉野家の設立は、1958年。

 

なお、実際には、株式会社を設立する前の1899年(明治32年)から、牛丼の販売は行われていたらしい。

 

また、これは有名な話ではあるが、吉野家は多額の負債を抱えた結果、過去に会社更生法の適用を受けている。

 

つまり、一度倒産をしている会社ということである。

 

そこから、復活をしているのであるから、吉野家の牛丼という商品力の強さを感じる。

 

 

吉野家のセグメントとしては、2023年2月期では「吉野家」とはなまるうどんを展開する「はなまる」、そして海外展開をしている「海外」セグメントの3つである。

 

なお、過去には、ステーキハウスのフォルクスを展開する「アークミール」や「京樽」もセグメント認識されていたが、既に株式を売却している。

 

(アークミル売却)

 

(京樽売却)

 

そういえば、京樽はスシローの決算書を覗いた際に、スシローのセグメントにも入っていたことを、ここで思い出した。

※スシロー=FOOD & LIFE COMPANIES

 

 

セグメント別の売上を見ると、大半が「吉野家」であることが分かる。

 

吉野家はテイクアウト需要もあるから、コロナ渦でも大きく下落せずに推移をしている。

 

吉野家の牛丼は強い!!

 

なお、「海外」もさらに伸びる潜在力は秘めているのだろうが、大きな増加は見られないのは、コロナ渦で伸び悩んでいたということだろう。

 

 

店舗数で見ても、それなりの投資を「海外」にしていることが分かるため、コロナ後の急拡大を大いに期待したいところである。

 

 

セグメント利益を見ると、こちらも大半が「吉野家」。

 

しかし、2021年2月期は、売上は大きな下落は見られなかったが、セグメント利益は減少している。

 

(2021年2月期)

 

そうか、テイクアウト需要があって、売上は減少していないが、テイクアウト用の包材等のコストがかかるから、利益が減少している模様。

 

店舗で飲食してもらった方が、利益幅は大きいということだろう。

 

そして、「はなまる」の苦戦が見て取れる。

 

「吉野家」がこれだけ強いのだから、もはや「はなまる」も売却して「吉野家」に特化した方が。。。なんて簡単に考えてはダメだと我に返る。

 

特に、2021年2月期の下落が目立つが、コロナ影響だろうか。

 

(2021年2月期)

 

「はなまる」もテイクアウトへの対応を実施している様子は、コメントからうかがえるが、うどんは伸びてしまうという性質上、牛丼のようにはなかなかうまくいかないのかもしれないし、「吉野家」同様にテイクアウト用の包材等のコスト増の影響もあるのだろう。

 

でも丸亀製麺は、テイクアウトでかなり好調という話も一方で聞いた事があるのだが。。。

 

(2023年2月期)

 

ただ、「はなまる」のセグメント利益は、徐々に回復していることは、明らかであり、原材料や光熱費の上昇の影響を受けているため、2023年2月期では、依然として赤字ではあるものの、直近である2023年8月期(第2四半期)では、黒字転換していることから、見通しは明るいのではないだろうか。

 

 

簡単に売却、整理などと結論付けてしまっては、やはりダメですね(;^_^A

 

 

2023年8月期(第2四半期)の業績を全体で見ても、売上、営業利益共に、前年同期を大きく上回っており、年度でも順調な業績が期待される。

 

なお、経常利益、四半期純利益が前年同期比で減少しているのは、助成金が発生していないことと、関係会社売却益がないことに起因するため、実質的な問題はないだろう。

 

 

既に2024年2月期の業績予想も、当初の予想から上方修正しており、下期の好業績も大いに期待できる。

 

自分のように忘年会終わりで、吉野家の牛丼を食べる人がきっと多くいるだろうから!?忘年会の盛況具合で下期の業績も変わってくるであろう。

 

そうえいば、前にライザップ監修の吉野家の牛丼が出ていて、夜中にちょっと体に気を使って頼んでみたことがある。

 

さすがはライザップ監修なだけあって、ご飯の代わりがサラダになっている牛丼で、カロリーが低い割には十分に食べ応えがあるものであった。

 

ただ、やっぱり普通の牛丼の方が美味しいな。。。なんて思って普通の牛丼を夜中に頼んでしまう自分の行動は、吉野家の牛丼の底知れぬ商品力を証明している。