先日、コテージに泊まる機会があった。
そのコテージにはウッドデッキがあり、バーベキューセットや薪ストーブが置いてあった。
マンション住まいの自分にとっては、目新しい光景で、戸建てに住んでこういう生活もありだなと素直に思った。
一方で夏は、大敵である蚊がわんさか出てきそうだな、とも思ったりもしたのだが。。。
まあ、ウッドデッキやバーベキューセット、薪ストーブは、かなり敷地が広くないと厳しいだろうし、それを事務所に通える範囲でと考えるとなかなか現実的ではないかもしれない。
ただ、これまで、マンションの便利さが一番と思い、戸建てにあまり目を向けることはなかったのだが、戸建ても住環境を色々カスタマイズが出来て悪くないなと思った。
コロナ渦にリモートワークが導入された事で、少し都心から離れた場所の戸建ても人気があると聞く。
その辺りを踏まえ、住宅メーカーの業績はどうなのだろうと気になっていたところ、ネットで目に入ったのが、この広告。
え!?行くだけで、2万円くれるの!?
これは、申し込まない理由はないと思い、即座に申し込んだ。
それから、数時間後、タマホームから送られてきたメールに悲しいお知らせがあった。
「タマホームへご来場をいただいたことがありますのでご来場プレゼントはお渡しすることができません。ご了承くださいませ。」
いつ、行ったんだろうか。。。全く記憶がないが。。。
何かの時に、アンケートとか書いてそれがカウントされてしまっているのかもしれない。。。
しかし、その事実をタマホームに確認するのもな。。。
と同時に、
「それではご来場お待ちしております。」
との文言で、プレゼントはもらえないが、予約は確定してしまっている事実に気が付く。
しかも、
「今後のご連絡は下記フリーコールまでお願い致します。」
との記載が続く。
「プレゼントもらえないから、予約はキャンセルします」
と、メールならまだしも、電話で言わなければキャンセルが出来ない!!
これは、ハードルが高い。。。
そこで、自分に問いかける。
「自分は、プレゼント目当てで予約したのではなく、戸建てに興味があるのではないのか!?」
実は、今もずっとその自分への問いかけを継続して、自分を説得しているのであるが。。。
とりあえず、タマホームにもっと興味が持てるかもしれないから、決算書を覗いてみよう!!
という訳で、若干、動機は不純な面も否めないのではあるが、タマホーム株式会社の有価証券報告書を覗いて見ようと思う。
タマホームの設立は、1998年。
なお、タマホームは筑後興産株式会社という、タマホームの創業者である玉木氏の一族が経営していた会社から分離独立をしており、その前も個人事業として展開されていたようなので、実際はもっと前から事業は行われていた模様。
そして設立から、15年で株式上場。
「より良いものを より安く提供することにより 社会に奉仕する」
を経営の基本方針として、急成長をしてきたことが分かる。
認識されているセグメントとしては、注文住宅、リフォームを請け負う「住宅事業」、戸建ての分譲・マンションの分譲を行う「不動産事業」、そして「金融事業」と「エネルギー事業」と続く。
売上を見ると、どの事業も安定しているのだが、特に「住宅事業」の安定成長が見られる。
やはり、コロナ渦にリモートワークが導入された事で、少し都心から離れても広さを確保しながら、個人の好みに合わせて住環境を整えられる戸建ての人気があるという情報は、間違いなさそうである。
一方で、セグメント利益を見ると、売上の安定成長の推移とは異なり、アップダウンが見られる。
特に、2019年5月期の「住宅事業」のセグメント利益の落ち込みが、目立つ。
(2019年5月期)
「価格と利益率を抑えた商品の比率が高くなった事及び、受注増に関わる販売費及び一般管理費等、売上拡大に向けた費用が増加」した結果とのことで、販売単価を低く設定した一方で、自分が釣られたようなプレゼント作戦等の影響で費用が増加したために、売上は増加したけれど、セグメント利益は大幅に下がったということだろう。
(2023年5月期)
しかし、その後は販売単価の上昇に伴い「住宅事業」のセグメント利益も回復が見られ、コロナ渦で自分好みにカスタマイズした戸建て住宅に、よりお金をかけようという人が増えた事も要因としてあげられるだろう。
資源高等でコストも上がっているはずであるが、それを販売単価に反映出来ている証拠であり、この辺りは企業としての力が見えるところである。
しかし、2023年5月期の「住宅事業」の好調とは逆に、「不動産事業」のセグメント利益の落ち込みも見られる。
(2023年5月期)
「不動産事業」については、売上が上がっているものの、原価・販売管理費等が増加して、減益となっているとのこと。
つまり、「不動産事業」については、販売価額に反映が十分に出来ていないということである。
この辺りは、競合他社との関係性もあるのだろうが、原材料が高騰している中では、顧客の希望を1からくみ取って建築する注文住宅の方が、原価の上昇を販売単価に適切に反映が出来るため利益率は確保できるということだろう。
引渡棟数の推移を見ても、元々注文住宅に強みがある会社であることが分かり、戸建分譲については、ブランド力を上げている過程なのかもしれない。
(2024年5月期_計画)
2024年5月期_計画を見ると、増収増益を見込んでおり、原材料高がある中ではあるが、強気の計画が見て取れる。
(2023年8月期_第1四半期実績)
ただ、2023年8月期_第1四半期の実績を見ると、結構苦しい業績となっている。
そうか、あの「来場したら2万円あげます!!」キャンペーンは、この業績を受けてのことかもしれない。
このままいくと、計画はもちろんであるが、前期よりも下回ることは明らかである。
確かに、最近リモート勤務から、出社に切り替える会社が増えているとも聞いているので、郊外の戸建て住宅へのニーズが下がってきているのかもしれない。
そしたら、自分みたいな人にも「5,000円くらいはあげます!」と言ってくれてもいいのに。
なんて思ったりもするのだが、そうすると何回も来るケースとかが増えてしまうんだろうな。。。
とにかく、住宅展示場に行くか行かないか早く決めなければ。。。
決算書を覗いて、タマホームを応援したい気持ちが少し出ていることも事実ではあるが。