ogurakaikei’s ブログ

会計・税務及び経済関連(時々雑談)

18世紀における東アジア世界(1/2)

長崎貿易では、糸割符制が1655年に廃止され、最大の輸入品である生糸が、相対取引となり、国内商人の自由な取引参加が認められましたが、元値決定の主導権を外国商人に握られたため、その後再び幕府は貿易統制を強め、1672年に市法商法が取られました。市法商法では、輸入される全商品について貿易の主導権を幕府が掌握し、すべての国内取引商人を統制して個々人の「貸物銀高」を定め、江戸・京・大坂・堺・長崎の五か所の中で長崎の特権的地位を認めました。つまりこれまで未組織の西国諸藩の貿易品取引商人を、長崎奉行一直轄四都市(江戸・京・大坂・堺)の貨物年寄-諸国貨物頭取-平貨物商人と系列化し、初めて全国的な輸入品の流通統制が可能となりました。

18世紀における東アジア世界(2/2)に続きます。

参考文献

・日本経済の歴史(名古屋大学出版会)