相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除きます)で被相続人が掛金又は保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者がその定期金給付契約の契約者であるものがある場合においては、一定額部分を「被相続人の財産とみなして」課税することとしています。この財産が「定期金に関する権利」ですが、生命保険契約と同様に、その支払義務等の権利義務関係は保険契約者が負っています。そして、定期給付契約を解約した場合には解約返戻金が支払われる場合がありますが、この解約返戻金は契約者に支払われます。つまり、定期金給付事由が発生する前においては、契約者の実質的な財産とみることが出来るわけです。そこで、相続税法においては、定期金給付事由がまだ発生していない定期金に関する権利について、生命保険契約に関する権利と同様の理由により課税することとしています。
なお、給付事由発生前の課税関係で死亡を給付事由とするものが「生命保険契約に関する権利」、死亡を給付事由としないものが「定期金に関する権利」となります。
相続税が課税される定期金に関する権利の課税要件等は、次のとおりです。
「課税要件」・・・
①定期金給付事由(生命保険契約を除きます)が未発生⇒所定の年齢に達することが給付事由
②被相続人が掛金又は保険料負担者である場合
③被相続人が契約者ではない場合
「課税対象者」・・・契約者
「課税財産」・・・定期金に関する権利÷相続開始の時までに払い込まれた掛金又は保険料の全額×被相続人が負担した掛金又は保険料の金額
「取得原因」・・・相続又は遺贈により取得したものとみなします。
相続税法における定期金に関する権利・保証期間付定期金に関する権利(2/6)に続きます。